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 世界に比べ遅れが指摘されていたが日本のワクチン接種だが、13日からは一部企業でも職域接種が始まり、先週10日時点では接種率が世界の平均を超えたこともわかった。

 一方、大手メディアが厚生労働省の報告をベースに“因果関係不明”としつつも、「【独自】ワクチン接種後に X人死亡」「接種X日後に"飛び降り" 厚労省報告」などと銘打って報じていることに対し、視聴者や読者の不安を煽るだけではないかとの指摘も多い。

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 パックンは「ワクチンの安全性の検証のためには、ありとあらゆる情報を集めるべきだし、もちろん遺族や長い間お付き合いしてきたかかりつけ医の話も聞くべきだ。その意味では、こうした報道も必要だと思う。ただし、ワクチン接種を進めなければいけない状況下で見出しだけが一人歩きし、恐怖を煽るような報道は避けるべきだ。それによってパンデミックの収束が遅れてしまうとしたら、責任は大きい。

 例えば日本では1日に3000人以上の人が亡くなっているし、新型コロナ感染者で亡くなった人は去年1年間で3500人もいる。それに比べて、この196名というのは多いのかどうか。そもそもワクチンとの因果関係がはっきりしていない以上、前日の朝ごはんに食べたものを報じるのと同じくらい無責任ではないか。ものすごく長い見出しになりそうだが、“2000万人中196名死亡”だったら分母も分かるので、“なるほど”と思ってもらえるかもしれない」とコメント。

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 元NHKアナウンサーの堀潤氏は「みんなどうしても見出しだけを見てしまうし、数字なども独り歩きしてしまう。また、テキストベースのメディアの場合、どうしても最初に数字が出てきて、最後に論評めいた言葉で着地することが多い。しかし、それでは不十分だと思う。今回のような報道で言えば、まずは丁寧に事実関係を並べた上で、“因果関係は分からず”と書くべき話だろう。

 僕が研修の時に徹底的に教えられたのは、“人の生き死にに関わることは軽々と語るべきではない”ということ。こういう数字が出てきた時に、速報的にパッと伝えていい話なのか、踏ん張って、時間をかけてやる話だぞという線引きをする必要があると思う。日々の感染者数についても、どんな傾向があるのかを報じるべきだし、“短い尺しかないから、こっちの数字を出したほうがいいのではないか”といった話をすべきではないか」と指摘。

 その上で、「テレビのニュース番組の場合、アメリカのCNNがそうであるように、ストレートニュース番組よりもディベート型ニュース番組のようにして、この数字をどう見るのかというのを議論する場を作ることが必要だ。その意味では、まさに公共放送は役割が問われていると思う。“これはある意味では政府広報に近いような時間帯だ“と明言した上でのディベート番組をやったり、検証するための時間帯だということで番組をやったりしてもいい。政府の方も、情報公開と合わせて専門家を交えた議論をライブで中継すれば、啓蒙にも繋がる」と訴えた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

「仮面を被ってるだけ...」元朝日記者と考えるリベラルメディア
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