“絶対に負けない”永瀬拓矢王座、鉄壁の「金の三重塔」に女流棋士も「笑いが出てきちゃう堅さ」
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 絶対に負けない意思の強さが、鉄壁の守りとなった現れた。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」の予選Dリーグ第2試合、チーム永瀬とチーム天彦の対戦が6月19日に放送されたが、この第4局で永瀬拓矢王座(28)と佐藤天彦九段(33)のリーダー対決が実現。優勢のまま終盤を迎えた永瀬王座が、自に金3枚を縦に並べる徹底的な守備を見せ相手の戦意を喪失させた。

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 永瀬王座は将棋に対するストイックな姿勢とともに、勝敗についても「負けない将棋」に徹底することで知られ、千日手・持将棋もいとわないことで有名な棋士。勝勢になっても、一気に踏み込んで切り捨てるよりも、より勝利を確実にする「辛い手」を選択することも多いが、この一局でもその持ち味が存分に見られた。

 名人3期の実績を誇る佐藤九段との一局は、先手の永瀬王座が居飛車穴熊、佐藤九段が三間飛車・穴熊という相穴熊で、お互いがっちり囲い合ってからの力勝負になった。お互い、自陣を崩されかけては穴熊を再生するという意地の張り合いのような展開が続いたが、形勢は徐々に永瀬王座に傾いていった。

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 ここでスパッと斬り捨てず、相手の戦意を喪失させるのが永瀬王座の常套手段。佐藤九段が細い攻めで逆転を狙いに来るところ、8筋に金3枚を縦に並べるという豪華過ぎる鉄壁の守備。これには大盤解説で聞き手を務めていた上田初美女流四段(32)からも「いやー、か、堅い…。笑いが出てきちゃう堅さですね」と、笑いとため息が入り交じるコメントがあり、視聴者からも「金を縦に3枚w」「サディスティック・ゴールド・タワー」「地獄のような受け」といった声が寄せられた。

 なお、対局は197手の長手数で永瀬王座が勝利。対局後には「どちらが勝ってもおかしくなかった。丁寧に受けた結果、相手の攻めが少し難しくなったので、勝ちになったんじゃないかなと思います」と、本人も守り勝ちだったと振り返っていた。

◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。

ABEMA/将棋チャンネルより)

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