麻雀は自由に打ちたい 滝沢和典が求める戦い「完成されたら本当につまらない」
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 無限とも言える可能性がある麻雀だからこそ、戦う価値がある。プロ麻雀リーグ「Mリーグ」きってのイケメン雀士にしてトッププロのEX風林火山・滝沢和典(連盟)は、勝利を追求はするが必勝法は求めていない。「完成されたら、それは本当につまらない」。2020シーズンで劇的な逆転優勝を果たしたチームにおいて、要所での活躍が光った滝沢は日々、どんなことを考えて戦っているのか。

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 Mリーグ初年度から参加している滝沢は2018シーズンに個人2位の+314.8をマーク。4着回避率はトップの.900を記録した。チームも準優勝を果たし、翌2019シーズンに優勝を期待されたが、個人25位の▲188.2と低迷。チームもまさかの最下位に終わり、セミファイナルシリーズにすら進めなかった。2020シーズンを前に、チームは成績次第でメンバーの入れ替えを発表。これにも「2019シーズンの成績が非常に悪くて内容も悪かった。当然の判断かなと思います」と、淡々と受け止めていた。

 試合中、喜怒哀楽を表に出すタイプではない。また打牌をはじめとする所作も美しく、正統派の麻雀であることから、「教科書のような麻雀」と例えられることも少なくない。ただし、滝沢の口から出てくる言葉を並べると、むしろ教科書のような存在にはなりたくないように聞こえてくる。「究極に行くと(麻雀は)言葉にできないんじゃないかなと思うんです。説明できるは解説のプロで、プレイヤーじゃない」。過去に戦術本を出したことがあったが、それが自身の足かせにもなり思うように戦えず、大不振に陥ったことがあった。ちょうどMリーグが始まる直前のころだ。

麻雀は自由に打ちたい 滝沢和典が求める戦い「完成されたら本当につまらない」
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 理で打つタイプと思われるだけに、自由に憧れる。Mリーグの公式実況、日吉辰哉と酒を酌み交わした時、その思いが溢れた。「なんでもいいんですよ。自由さを忘れないようにしないと、伸びがなくなる。完成されていると(運が)ついているか、ついていないかだけになる。それは本当につまらない」。誰がやっても確率通りの結果が導き出されるならば、麻雀ではなくサイコロを振って勝負を決めるのと何ら変わらない。手元にある牌をどれから切ってもいいから麻雀。「強いやつって、何も考えてないんじゃないかなと。佐々木寿人がそれに近いんだよなあ」。ファンの間で“タキヒサ”と呼ばれるライバル、KONAMI麻雀格闘倶楽部の佐々木寿人(連盟)の名前が出た。それまでのセオリーを破壊する超攻撃的な打ち方でトップ雀士になった男。理屈では説明できないスケールの大きさが、うらやましくもある。

 2020シーズン終盤、チームのピンチで連勝を飾ったことが、後の逆転優勝にもつながった。実にヒーローらしい活躍ぶりはファンの心を虜にしたが、この時、滝沢本人の心の内側はどんなものだったのか。インタビューでは、むしろ敗退ぎりぎりの状況を楽しむようなコメントも見られた。2021シーズン、滝沢はどんな自由さを持って戦うだろう。

ABEMA/麻雀チャンネルより)

厳しい戦いを勝ち抜いた滝沢和典
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EX風林火山、逆転優勝までの軌跡
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Mリーグ 配信情報まとめ
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