将棋の藤井聡太棋聖(王位、18)が7月3日、ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第3局で最年少でのタイトル防衛と九段昇段に挑む。挑戦者の渡辺明名人(棋王、王将、37)に対して開幕から2連勝。ストレート勝ちでの快挙達成に向かうが、“現役最強”とも呼ばれる渡辺名人も意地を見せてくるところ。前日、取材に応じた藤井棋聖は「明日も今までどおり臨めそうかなと思っています」と、平常心で盤に向かう。
【動画】ヒューリック杯棋聖戦 五番勝負 第三局 藤井聡太棋聖 対 渡辺明名人
昨期は挑戦者の立場で向かっていき、3勝1敗で奪取に成功した藤井棋聖。今回はリベンジマッチの構図になったが、返り討ちにするように連勝。通算成績7勝1敗という相性の良さも追い風となったか、どちらも快勝で防衛にあと1勝と迫った。6月は棋聖戦で2局、順位戦B級1組で2局、叡王戦の挑戦者決定戦、豊島将之竜王(叡王、31)との王位戦七番勝負第1局(2日制)など、多忙な日々を送った。「6月はかなり対局数が多かったんですけど、状態としては体調の方もいいですし、明日も今までどおり臨めそうかなという風に思っています」と、昨年並みのハードスケジュールも気にしていない。
本局に勝利すれば屋敷伸之九段(49)が持つ19歳7日の最年少タイトル防衛記録を更新。また、タイトル通算3期となり、九段昇段の条件をクリアすることから、渡辺名人の持つ21歳7カ月という記録を大幅に更新、史上初の「10代九段」が誕生する。「防衛のかかった一局という形になりますが、そのことは意識せずに明日も盤上に集中して一局、指せればと」と平常心は崩さず、素直に盤に向かうことで記録は後からついてくる。過去38回のタイトル戦で、一度もストレート負けを喫したことがない渡辺名人を、一気に寄り切ることがあれば、藤井棋聖の強さは将棋界の中でもさらに際立つ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)