次世代エース梶浦宏孝七段、強豪撃破も「内容はいかん」「もっといい将棋が指したい」と高い意識に絶賛殺到/将棋・ABEMAトーナメント
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 プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Eリーグ第1試合、チーム斎藤とエントリーチームの対戦が7月3日に放送され、エントリーチームの梶浦宏孝七段(25)が相手のリーダー斎藤慎太郎八段(28)に勝利、大きなインパクトを残した。さらには勝利後のコメントでも「内容はいかんかった」「もっといい将棋が指したいです」といった強い向上心を見せ、ファンから絶賛を浴びた。

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 次世代エース候補が本領発揮だ。梶浦七段は2015年4月、19歳でプロデビュー。2020年度にブレイクすると、竜王戦のランキング戦5組で優勝を果たし、本戦でも強豪棋士を次々と倒し、挑戦者決定三番勝負まであと一歩の準決勝まで駆け上がった。今年度も5月に同じく竜王戦の4組ランキング戦で優勝。ランキング戦3期連続優勝は、木村一基九段(48)、永瀬拓矢王座(28)、藤井聡太王位・棋聖(18)以来となる快挙でもあり、本戦でも勝ち進んでいる。

 ここ数年で一気にその名を広く知られた梶浦七段だが、ABEMAトーナメントでも結果を出した。ドラフト指名に漏れた棋士によるエントリートーナメントで5連勝を果たしてチーム入りを果たすと、チーム斎藤との第1局を任された。斎藤八段はタイトル経験もあり、最近では名人戦七番勝負にも出場。戦前にも「公式戦で対局する機会も、かなり上の方までいかないとないと思っていた」と、タイトル戦線で活躍するトップ棋士との対局を楽しみにしていた。

 後手番で始まった一局は、相矢倉のどっしりとした出だしに。じりじりとした展開から徐々にペースを握り始めると、粘りが特徴的な斎藤八段に対して鋭い攻めを連発。チームメイトからは「切れ味がすごい!」と絶賛の声が飛ぶなど、勢いのいい将棋で勝ち切った。

次世代エース梶浦宏孝七段、強豪撃破も「内容はいかん」「もっといい将棋が指したい」と高い意識に絶賛殺到/将棋・ABEMAトーナメント
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 ファンの注目が集まったのは、ここからだ。格上と見られた棋士に勝利し喜びを表現するかと思いきや「終盤、結構間違えてしまって急所を突けない手が多かったので、そこが反省です。結果が出たのは大きいんですけど、内容はいかんかったかなと思います」と反省の弁。さらに連投が決まった第2局の前には、藤森哲也五段(34)から「1局目にあれだけのパフォーマンスを発揮できたから、言うことないですよ」と言われたものの、本人は「いや、もっといい将棋が指したいです」と笑顔交じりながらも向上心の塊のようなコメントも。さらなる高みを目指す強い意志が現れていた。これには視聴者からも「切れ味すげええ」「これはダークホース」「また謙虚なことを」と絶賛する声が殺到していた。

 この第1試合は1勝1敗で終わった梶浦七段だが、このABEMAトーナメントでも公式戦でも、まだまだ成長と活躍が期待されそうだ。

◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。

ABEMA/将棋チャンネルより)

チーム斎藤の3人
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勝ちにも満足しない梶浦宏孝七段
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村山慈明七段、絶好調
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