藤井聡太王位・棋聖、久保利明九段と深夜の熱戦に勝利 3勝1敗で首位グループ追走/将棋・順位戦B級1組
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 将棋藤井聡太王位・棋聖(18)が7月6日、順位戦B級1組の4回戦で久保利明九段(45)に117手で勝利し、今期の成績を3勝1敗とした。13人参加のB級1組で、昇級枠は成績上位2人。自力での昇級の可能性をつなぎ、3連勝の上位にしっかりと食らいついた。

【中継】順位戦 B級1組 第4回戦 藤井聡太王位・棋聖 対 久保利明九段

 通常、全局一斉に行われる順位戦だが、タイトル戦などで日程が詰まっている藤井王位・棋聖は、当初予定されていた15日よりも1週間以上前倒しして、本局に臨んだ。振り飛車の名手・久保九段との一局は、大方の予想通り、先手の藤井王位・棋聖が居飛車、久保九段が振り飛車(四間飛車)の対抗形でスタート。両者、美濃囲いで自玉の安全にしてから、じっくりとした序盤・中盤を経過していった。

 形勢が少しずつ傾き始めたのが、午後6時からの夕食休憩を終えて、夜戦に入ってから。久保九段が先に仕掛け、藤井陣を崩しにかかったところを、藤井王位・棋聖は冷静に対処。金銀4枚で隙なく守り、相手の大駒の効果を半減させると、攻めの手番が回ってきたところで端攻めから活路を見出し有利、さらには優勢に。中継していたABEMAの「SHOGI AI」による勝率が、緩やかに藤井王位・棋聖の勝率99%に近づく通称「藤井曲線」を描いたが、最終盤では最善手以外であれば、急激に形勢を損ねる細い道だった局面も多く、難解な将棋を勝ち切った。

 対局後、藤井王位・棋聖は「序盤から手の組み合わせが多い将棋なので、どういう感じで行くのか序盤から難しかったです。(終盤は)少し端攻めがうまく行くかわからなかったのですが、攻めがつながる形になりました」と振り返ると、3勝1敗については「手強い相手ばかりなので、3勝1敗は悪くない。一局一局、気を引き締めていけたらと思います」とコメント。また「最近対局が多いので、コンディションを崩さないようにとは意識していました」とも語った。

 藤井王位・棋聖には、最難関の最年少記録といえる最年少名人の更新に可能性が残されている。今期、B級1組からA級に昇級、来期のA級で挑戦権を獲得し奪取に成功すれば、谷川浩司九段(59)が持つ21歳2カ月の記録を更新する。

 3日には渡辺明名人(棋王、王将、37)の挑戦を退け、棋聖のタイトルを防衛。最年少でのタイトル防衛と九段昇段を果たしたばかりだが、中3日で10日には竜王戦の決勝トーナメントで山崎隆之八段(40)と対戦。初の竜王挑戦に向けた重要局が待っている。またさらに中2日で13、14日には、豊島将之竜王(叡王、31)を挑戦者に迎えての王位戦七番勝負第2局が控える。長時間対局も多く、事前研究と体調管理も難しい日々が続くが、このハードスケジュールを乗り切れば、月末に開幕する叡王戦五番勝負での三冠獲得、さらに四冠への挑戦などにも道が開ける。

(ABEMA/将棋チャンネルより)

第80期 順位戦 B級1組 第4回戦 藤井聡太王位・棋聖 対 久保利明九段
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第34期 竜王戦 決勝トーナメント 藤井聡太王位・棋聖 対 山崎隆之八段
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第4回ABEMAトーナメント予選Eリーグ 第二試合 チーム渡辺VSチーム斎藤
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