将棋だけでなく、ファンを楽しませる自由なトークでも、まさにトップ級だ。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Eリーグ第2試合、チーム渡辺とチーム斎藤の対戦が7月11日に放送された。チーム渡辺のリーダー、渡辺明名人(37、棋王、王将)は後輩2人とチームを結成、昨年決勝で逃した優勝を狙っている。初戦はスコア5-2と快勝スタートとなったが、後輩の戦いを見てる最中のトークでも大暴れ。この様子にファンが大ウケ状態になった。
【動画】渡辺明名人、オリジナルうちわにご満悦
渡辺名人と言えば現在最多の三冠保持者で、タイトル獲得数は歴代4位の通算29期。先日まで行われていたヒューリック杯棋聖戦五番勝負では藤井聡太王位・棋聖(18)に敗れ、自己最多の四冠こそならなかったが“現役最強”と呼ばれ、序列でも1位に君臨している。
本大会前のドラフトでは、所司一門の弟弟子・近藤誠也七段(24)、弟のようにかわいがる戸辺誠七段(34)という気心知れた2人を指名。対局前に行われるオーダー会議、作戦会議でも歯に衣着せぬ物言いで、後輩たちとのコミュニケーションを取っていた。
そんな渡辺名人のテンションは、対局を見ている時にさらにアップ。近藤七段、戸辺七段が重要な局面、さらにチャンスを迎えた時には「お茶を飲め!ここでお茶を飲むのが急所だよ」と、モニターに向かって慌てるなとアドバイス。また近藤七段が優勢になった局面では「ちょっと、風呂行ってくるか、もう」と、勝利への道筋が見えたとばかりに席を立つようなパフォーマンスも見せた。ただ、疑問手が出れば今度は「ホントかよー。へぇ!?」「なんでここでいきなり格調高くなってんだよ。ほら、埋められた」とバッサリ斬った。
数々のリアクションは、ファンの共感も大きく「ナベのサービス精神好き」「風呂やと?」「最善手 お茶」と、渡辺名人の様子が映る度に、大盛り上がりとなっていた。なお「お茶飲め」については、渡辺名人がチームのTwitterアカウントで詳細を報告。「『お茶飲め』の語源は自分が20歳の頃から研究会で教わっていた藤井猛九段と中川大輔八段が感想戦で『お茶ください』や『ここでお茶』ってよく言ってまして。」と説明していた。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)