将棋の藤井聡太王位(棋聖、18)が7月13、14日にお~いお茶杯王位戦七番勝負の第2局に臨む。第1局では、挑戦者の豊島将之竜王(叡王、31)に完敗。自身2度目のタイトル防衛に向けて、早めに巻き返したいところだ。前日12日に記者会見に応じた藤井王位は、「一手一手、盤上に集中してやっていきたい」と抱負を語った。
【動画】お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負 第二局1日目 藤井聡太王位 対 豊島将之竜王
今月3日にはヒューリック杯棋聖戦五番勝負で、渡辺明名人(棋王、王将、37)に3勝0敗のストレートで、最年少でのタイトル防衛と九段昇段を果たした。その後も順位戦B級1組、竜王戦決勝トーナメントの準々決勝と重要局が続く中、確実なパフォーマンスを発揮して、白星を積み重ねた。豊島竜王に敗れた6月29、30日の第1局からは約2週間が経過したが、その間は「かなり対局が多かったので、その中で切り替えられた」と、敗戦のショックを引きずることはない。
前回の反省はもちろんある。持ち時間8時間の2日制と、考える時間に余裕があると思われがちだが、これは序盤から形勢を損ねてしまった場合に、時間切迫による逆転のチャンスが少ないとも言える。第1局がまさにそうだった。「持ち時間が長いと、差がつけられてしまうと厳しいと思っているので、序盤から読みを入れて指したいと思います」と、早い段階からより深く、勝利への道筋を読み込む構えだ。
通算1勝7敗と大きく負け越す豊島竜王に対して「第1局に関しては、序盤の構想力に差が出てしまった印象なので、第2局以降はそのあたりに対応する必要があると感じています」と、積極的な棋風の持ち主に対して、冷静かつ確実に対応し自分のペースを保つことが重要だと踏んだ。
豊島竜王には、挑戦者として叡王戦五番勝負も控えており合計“十二番勝負”とも呼ばれる。また竜王戦挑戦者決定トーナメントで優勝すれば、ここでも七番勝負が実現。最大“十九番勝負”という超ロングシリーズにもなる。天敵とも言われている豊島竜王と、長く険しいタイトル戦ラッシュにおいて、次局が大きな流れを作る。
(ABEMA/将棋チャンネルより)