“平成~令和の鉄人”玉鷲 1日も休まず、今日歴代単独6位の連続出場1360回へ
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 優勝経験もある前頭十枚目の玉鷲が今場所は元気だ。初日は志摩ノ海との押し相撲同士の一番となったが、まさに圧力勝ちで一方的に押し出したのを皮切りに幕内では自身初の4連勝スタート。ここ3場所は負け越しが続いていたが今場所は完全に元気を取り戻した。

 2004年初場所の初土俵以来、1日の休場もなく連続出場を続ける“平成~令和の鉄人”である。モンゴル出身としては珍しく突き押し一本を磨いてきたのは、場所前の6月に亡くなった入門時の師匠である先代片男波親方(元関脇玉ノ富士)から「まわしは取るな」と徹底して言われ続けていたからだ。「そのおかげで今も相撲が取れている」と今年の11月で37歳になる幕内最年長力士は感謝する。

 十三日目は宝富士に圧勝して勝ち星を1年ぶりに2ケタに乗せたが、この日で通算連続出場が1359回となり元関脇寺尾と並ぶ歴代6位となった。本人は常々「数字よりも内容が大事」と話すが、もしも四つ相撲タイプであっても長く取れたかもしれないが、投げなどによるケガのリスクも高まりここまで記録を伸ばすことは難しかったであろう。親方の教えを忠実に守る素直な性格も“丈夫で長持ち”の大きな要因の一つと言えるかもしれない。

 20代のころは仕切り線のかなり後方から思い切り突進し、相手を吹き飛ばす爆発力満点の強烈な立ち合いが武器だったが、30代となり体力的にピークを過ぎてからは仕切り線ギリギリに手をついて角度をつけて当たるなど、パワーダウンを頭脳とテクニックで補ってきた。2年前の初優勝もちょうど取り口のマイナーチェンジを図った直後の時期だった。

 所属する片男波部屋の力士数は自身を含めて5人。関取は自分だけと出稽古が禁止されているコロナ禍にあって厳しい稽古環境だが、ベテランの張りのある肉体を見れば鍛練をしっかり積んでいるのは明白だ。十分な稽古相手がいなくても創意工夫で何とか乗り切れることも証明している。いまだ衰えの兆候すら見られず、“40歳幕内”も可能な雰囲気すら醸し出している。

ABEMA大相撲チャンネルより)

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