戦慄の左カウンターで“大の字”失神KO 「この男の左は半端じゃない」実況驚き
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 安定したサラリーマン生活を捨て後がない男と、家族を持ちチーム立ち上げと格闘技に人生を賭ける男の真っ向勝負の結末は、3ダウンの末の“大の字”失神KO決着。担架投入という壮絶な形で幕を閉じた衝撃のダウンシーンに実況が「この男の左は半端じゃない」と声を上げた。

【映像】左カウンターで“大の字”失神KO

 7月24日に後楽園ホールで開催された「Krush.127」。里見柚己(team NOVA)と川崎真一朗(月心会ラスカルジム)の第6代Krushライト級王座決定トーナメントの1回戦は、2ラウンド終了間際の2分54秒、里見が得意の左で3つ目のダウンを奪い鮮やかなKO勝ち。両者の人生模様が交錯する戦いの残酷かつ劇的な結末に、解説席から「まるで少年マンガを読んでいるようだ…」との声まで聞かれた。

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 関西きっての剛拳。会社を辞め格闘技の世界に身を投じてきた激闘派の脱サラ・ファイター川崎は、ここ2年勝ちなしの3連敗中。現在30歳、このトーナメントが「最後のチャンス」と背水ので臨む。対する“スターダストレフティ”こと里見は、得意の左でKOの山を築いてきた23歳。Krush参戦5年目、結婚し自らのチームも立ち上げ、悲願のタイトル戴冠に挑む初戦となる。

 1ラウンド序盤は、サウスポーの里見がミドル、ロー、ストレート、さらにハイキックと得意の左で攻勢に出る。前に出る川崎のプレッシャーを受けながらも、下がり気味に繰り出す打撃の精度は高い。川崎も左右のストレートやボディ打ちで反撃に出るが、里見は地を這うような低空の奥足ローなど攻撃のバリエーションが多彩だ。だが、気迫では川崎も負けていない。ラウンド後半、離れ際に右ストレートを当てあわやダウンという見せ場を作ると左、右の奥足ローとテンポ良く当てていく。

2ラウンドになると川崎が連打で勝負に出るが、強い圧を受けロープを背にしながらも里見は冷静だ。左の蹴りを散らし立て直すと左の三日月蹴り、左ハイ、さらに得意の左ストレートを当てグラつかせる。すると前に出る川崎に対して里見がカウンターで渾身の左ストレートを打ちこみ、川崎は両足、両手をマットについてダウン。

 残り40秒、なんとか立ち上がった川崎だが、ダメージで精彩を欠いた動きが目立つ。そこに里見がゆったりとした構えから再び三日月蹴り、左ストレートを当て2度目のダウンを奪う。座り込みながらも相手の足につかむ姿に、川崎の執念が感じられる。

 カウント8まで時間を使いリングに復帰した川崎に対して、つかつかと歩みよった里見が、再び非情な左を振り抜いた。腰から崩れ落ちた川崎は大の字。ラウンド終了まで残り6秒、壮絶な3ダウンで力尽きた。

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 “左の里見”の怖さをまざまざと見せつける勝利にABEMAの視聴者からも「こんなのモロに入ったら危ない」「あの左ストレートはすごい」「(ダウン後)ピクリともしなかった」と左の威力について驚きの声があがった。さらに解説を務めた石川直生も「3つとも当て方が違いました。同じ技でも全部角度が違って、相手には違う技に見えるんです」と里見の磨き抜いた左を絶賛した。

 互いに期するものがあったもの同士の対戦は、残酷なまでに明暗がハッキリと別れる結末に。ゲスト解説を務めたお笑いコンビ・イワイガワの井川修司が「少年マンガを読んでいるような…そこには悲劇も残酷さもあるんですけど」と言葉を詰まらせると、ゲスト解説の京太郎は「じわじわ行っていたところで、最後大雑把に踏み込んでいってしまった」と敗因を指摘すると「負けてから這い上がるのが大事」と激闘に散った川崎にエールを送った。

 激戦を終えマイクを取った勝者・里見も担架で運ばれた対戦相手について「川崎選手、男気ある選手で、二人でKrush盛り上げたいと思っていたので、こういう試合ができてよかったです」と試合を振り返った。また2回戦に向けては「9月は2試合派手なKOをする」とタイトル&KO宣言まで飛び出した。里見は最後「川崎選手ありがとうございました」と話し、再度、対戦相手の川崎に敬意を表してリングを降りた。

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