プロ将棋界唯一の団体戦「お~いお茶presents第4回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント2回戦第3試合、チーム糸谷とチーム菅井の対戦が8月21日に生放送され、第8局でチーム菅井の郷田真隆九段(50)がチーム糸谷のリーダー糸谷哲郎八段(32)に93手で勝利した。これによりスコア5-3でチームは準決勝進出を決めた。
【中継】お~いお茶presents第4回ABEMAトーナメント チーム糸谷VSチーム菅井
タイトル6期の実績を誇るベテランが、チームの勝利がかかる一局で、相手のリーダーを瞬殺した。持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算というフィッシャールールで、終局時のチェスクロックに表示されていた残り持ち時間は4分53秒。ほぼ初期状態という数字が、本局の快勝ぶりを示していた。
戦型は先手番の郷田九段が矢倉を選択し、糸谷八段が得意とする一手損角換わりを回避。勝負にこだわる姿勢を見せると、無理気味に引き込んで戦おうとした糸谷八段の手を咎めるように、隙を逃さず一刀両断。有利、優勢を飛ばして勝勢に持ち込むようなスピード感で、早々と決着をつけた。「矢倉で自分の持ち味が出せる展開になった。今日はしっかりとした形でやろうと思って、謙虚な気持ちで臨みました」と、勝利の後にも自身の対局態度を振り返る落ち着きぶり。熱く戦った後でも、冷静なコメントでベテランらしく一局を振り返っていた。
リーダー菅井竜也八段(29)が3連勝、郷田九段が2勝1敗と活躍。惜しい星を落とし、今大会まだ勝利を手にしていない深浦康市九段(49)も救いながらも準決勝進出。戦うごとに1人、また1人と調子を上げてくる中、深浦九段が本調子に戻った時、このチームはついに完成する。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)