将棋の藤井聡太王位・棋聖(19)が8月30日、竜王戦挑戦者決定三番勝負の第2局で、永瀬拓矢王座(28)に77手で勝利、番勝負では2勝0敗で豊島将之竜王(叡王、31)への挑戦権を獲得した。藤井王位・棋聖は棋聖、王位と続けて防衛に成功、叡王にも奪取に王手をかけているが、序列最高位である竜王への挑戦により今期4つ目のタイトル戦出場が決定。8つあるタイトルのうち、実に半数に出場することになった。
【中継】竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第二局 藤井聡太王位・棋聖 対 永瀬拓矢王座
今期続いている、藤井王位・棋聖の「タイトル戦ロード」がさらに長く伸びた。第1局の熱戦に勝利して迎えた第2局。先手番から相掛かりの研究手で序盤からリードを奪うと、中盤に入ってからも、将棋界ではトップともいわれる研究量を誇る永瀬王座をじりじりとリード。「負けない将棋」が信条で、粘りにも定評がある先輩棋士に対して、隙を見せない終盤力で圧倒し、そのまま力強く勝ち切った。タイトルホルダー同士の挑決ながら、強さを見せつける2連勝での権利獲得。棋聖、王位、叡王に続く4つ目のタイトル戦出場も納得の一局となった。
対局後、藤井王位・棋聖は「竜王戦という最高峰のタイトル戦に挑戦できることはとても光栄です。王位戦の反省を踏まえて、いい内容にしていければと思います。2日制の8時間で、王位戦と同じ条件になるので、王位戦でうまくいかなかったところを修正して臨みたいです」と、七番勝負に向けての抱負を語った。
この結果、豊島竜王とは4勝1敗で防衛したお~いお茶杯王位戦七番勝負、2勝2敗でフルセットにもつれ込んでいる叡王戦五番勝負に続き、竜王戦でも七番勝負を戦う、合計「十九番勝負」が決定。竜王は最高賞金額を誇るトップタイトルで、仮にこれを奪取成功となれば、三冠を保持する渡辺明名人(棋王、王将、37)を抜いて序列1位に君臨することにもなる。さらに棋王、王将でも今期中の挑戦、奪取の可能性を残しており年度内の六冠も、夢の数字とは思えなくなるほどの強さだ。
竜王戦七番勝負が行われるころには、プロデビューから6年目に突入する藤井王位・棋聖。史上最強の10代棋士が、強敵ばかりのタイトル戦ロードをどこまで突き進むのか。周囲の期待と興味は尽きない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)