上田をはじめよい若手が育っている

昨季はシーズン途中に大迫勇也、武藤嘉紀、ボージャン・クルキッチの3人を獲得し、J1リーグを3位で終えたヴィッセル神戸。今季は横浜F・マリノスから扇原貴宏ら即戦力を獲得した。

しかし、思うように勝てず11試合で4分7敗と未だ勝ち星がなく、最下位に沈んでいる。元清水エスパルスのミゲル・アンヘル・ロティーナを新監督として迎えたが、未だ結果は出ていない。

そこで心配なのは大迫のパフォーマンスである。昨季はJ復帰後11試合で4ゴール4アシストとまずまずな数字を残し、シーズンを終えた。しかし、今季はここまで11試合でゴールがない。直近のガンバ大阪戦でも枠内シュート0本でベンチに下がっており、退場者が出て人数不利だったとはいえ、評価の難しいゲームだった。

このままでは日本代表の選考に影響してもおかしくはない。現状の立ち位置は3トップの中央で不動だが、辞退したアジア最終予選の2試合では上田綺世がアピールしている。鹿島アントラーズでの勢いも衰えておらず、リーグ戦では12試合で7ゴールを記録。得点ランキングでは京都サンガF.C.のピーター・ウタカの8ゴールに続く数字であり、早くも二桁到達が見えている。

得点以外での守備やポストプレイなどの献身性も評価点である大迫だが、ワールドカップ・カタール大会で戦うことになるスペイン代表、ドイツ代表相手にはどちらかといえば一発のチャンスを確実に決められる選手が欲しい。現状ではそれは大迫ではなく、上田が当てはまる。また、その自慢のポストプレイも収められなくなっており、パフォーマンスの向上が見られなければ6月のキリンチャレンジカップでの選外もあり得る。

カタール行きが決まり、さらにポジション争いが熾烈になる日本代表。ストライカーも大迫、上田以外に前田大然や古橋亨梧、オナイウ阿道など実力者ばかりであり、招集時点での調子でメンバーが決まることになりそうだ。