前線のスピードと2列目のテクニック発揮がベスト16へのカギ
ワールドカップのメンバー選考は毎回議論を呼ぶものだ。過去の日本代表ではサプライズ招集があったが、今回は『サプライズ選外』の方が話題になっている。前線の大迫勇也、古橋亨梧の2人が森保ジャパンから外れることになり、森保一監督の思い切った決断は世界から注目を集めた。
問題は、カタールの地でどうゴールを奪っていくかだ。前線では浅野拓磨、前田大然のスピードスターコンビ、前線で体を張れる上田綺世といった選手が召集を受けたが、3人ともA代表での経験が豊富というわけではない。代表戦でゴールを量産してきたわけでもなく、エースと呼べる存在は確立されていない。チームスタイルの中で自身の良さを発揮していくことになるはずだ。
やはりカギはタレントが揃う2列目だろう。米『ESPN』が現日本代表最大の得点源と期待をかけたのは、鎌田大地だ。
「日本がドイツ、スペインのどちらか相手に番狂わせを起こし、コスタリカに勝利してベスト16へ進むとした場合、ゴールはどこからくるのか。南野はクラブより代表で活躍する傾向にあり、伊東や堂安も脅威になる。ワンダーキッドの久保建英も21歳でありながらカタールで重要な役割を果たすことができる」
「しかし、おそらく日本がゴールを奪ううえで最善の策となるのはスターへの階段を駆け上がっている鎌田となるだろう。完全なストライカーではないものの、現在ブンデスリーガでヴェルナーやマネをも抑えて7ゴールを挙げている選手だ」
前田、伊東、浅野のスピードで相手にプレッシャーを与え続け、攻撃面では彼らを走らせる速攻と2列目の選手が持つ個の能力を引き出すスタイルでゴールを狙っていくことになるだろう。ドイツ、スペイン相手にゴールを奪うのは容易ではないが、この前線チョイスはヒットするのか。森保ジャパンの賭けがベスト16への扉を開けるのか楽しみだ。