新戦力のアピールが続いている

アジア最終予選の激闘からまだ2カ月しかたっていないが、今回のワールドカップ・カタール大会は欧州のシーズン途中に行われるため、普段の大会よりもかけられる時間は少ない。開幕戦は11月21日となっており、約6カ月しか時間がない。

そんなサムライブルーは6月2日から14日にかけて計4試合のテストゲームを行うことになっている。パラグアイ代表から始まりブラジル代表、ガーナ代表、そしてチリ代表対チュニジア代表のどちらかと最後に試合を行う。9月にも親善試合を組むことは可能だが、本大会までの時間を考えれば、新戦力を試すことができるのはこの6月となる。

ここでは本大会で使用するシステムを試すことになるが、最前線センターフォワードのポジションでは激しいポジション争いが行われている。

海外を拠点にする選手であれば、セルティックの古橋亨梧は先日のマザーウェル戦で20ゴールの大台に到達した。今季は怪我で離脱することもあったが、復帰後はそこでのブランクを感じさせないパフォーマンスを披露しており、ゴールを量産している。シュートセンスとそこに移るまでの流れは素晴らしく、この得点力は代表でも見てみたい

シント・トロイデンの原大智も今季評価を上げた選手の一人だ。191cmと日本人離れした長身の持ち主で、ベルギーでは空中戦で敵なしだった。足元でボールを扱うスキルも高く、パワープレイ時での活躍が期待できる。

フランスの2部で今季10ゴールを記録したオナイウ阿道も候補に入る。一時はゴールが取れない時期もあったが、最終的には二桁得点を記録してトゥールーズの1部昇格に貢献している。180cmと特別大きな選手ではないが、キープ力と空中戦の強さは魅力的で、センターフォワードだけでなくサイドでトップ下の位置に入ることもできる。

国内でいえば外せないのは鹿島アントラーズの上田綺世、鈴木優磨のコンビである。鹿島ではこの2トップが鉄板であり、首位を走るチームの原動力となっている。上田は今季止められない存在として躍動しており、ここまで8ゴールでピーター・ウタカと並んでいる。ボックス内での地上戦、空中戦での強さに加え、ボックス外からの強烈なミドルシュートを持っており、今最も乗っているJリーガーだ。鈴木も6ゴールと素晴らしい得点力を見せているが、彼の真骨頂はその万能性にある。システムの表記は2トップだが、試合の中で様々なポジションを取り、チームを支える。ポストプレイ、チャンスメイク、守備での献身性、得点力と多くの能力が高水準で、2人分の働きを見せる。

森保一監督が6月の親善試合で誰を招集するのかは気になるところだ。普段はFWが3人呼ばれることが多く、大迫勇也、前田大然はこれまでの傾向からすれば招集が予想できるが、新戦力発掘のタイミングでもあり、特にここまで10試合で1ゴールしか取れていない大迫をどのように判断するかは気になるところだ。チーム自体の不調に足を引っ張られている感はあるが、大迫のコンディションも上がり切っていないように思える。大迫の万能性であれば、鈴木が鹿島で上位互換のようなパフォーマンスを披露しており、大迫外しも考えられる。