9月の欧州遠征(キリンチャレンジカップ2022)で、23日にアメリカ代表戦(2-0)、27日にエクアドル代表戦(0-0)を終えたサッカー日本代表。11月20日に開幕を迎えるFIFAワールドカップ・カタール大会(カタールW杯)に向け、いよいよ11月1日のメンバー発表を待つばかりとなった。
この欧州遠征では30名が招集されたが、W杯本大会に登録できるのは26名。単純計算で4名は落選となる上、怪我などで招集されなかった選手も複数いる。
ここでは、欧州遠征での出場状況や、森保一監督のなかで十分に候補に入っているであろう状況予想を含め、サッカー日本代表W杯メンバーの当落予想を「当確予想」「有力」「拮抗」「可能性あり」の4つで行った。
ゴールキーパー
当確予想
- 権田修一(清水エスパルス)アメリカ戦:スタメン出場(後半0分OUT)
- シュミット・ダニエル(シントトロイデンVV/ベルギー)アメリカ戦:途中出場(後半0分IN)/エクアドル戦:スタメン出場
拮抗
- 川島永嗣(RCストラスブール/フランス)
- 谷晃生(湘南ベルマーレ)
これまで正守護神の座を守ってきた権田、エクアドル戦にスタメン出場しPKをストップするなど評価を高めたシュミットは当確だろう。出場のチャンスは少ない第3GKには、経験をチームに還元できる川島か、谷に今後のための経験を積ませるか、監督の判断次第となる。
ディフェンダー
当確予想
- 吉田麻也(シャルケ04/ドイツ)アメリカ戦:スタメン出場/エクアドル戦:途中出場(後半38分IN)
- 冨安健洋(アーセナル/イングランド)アメリカ戦:スタメン出場
- 中山雄太(ハダースフィールド・タウン/イングランド2部)アメリカ戦:スタメン出場
- 酒井宏樹(浦和レッズ)アメリカ戦:スタメン出場(後半0分OUT)
有力
- 伊藤洋輝(VfBシュツットガルト/ドイツ)アメリカ戦:途中出場(後半0分IN)/エクアドル戦:スタメン出場
- 山根視来(川崎フロンターレ)エクアドル戦:スタメン出場
- 長友佑都(FC東京)エクアドル戦:スタメン出場(後半38分OUT)
拮抗
- 谷口彰悟(川崎フロンターレ)エクアドル戦:スタメン出場
可能性あり
- 瀬古歩夢(グラスホッパーCZ/スイス)
- 板倉滉(ボルシアMG)招集外
CB(センターバック)の中心はキャプテンでもある吉田、SB(サイドバック)でもプレーできる冨安の組み合わせ。続く3番手は板倉が有力だったが、左膝の内側側副靭帯を断裂してしまい、間に合うか微妙な状況だ。代わりに名乗りを上げてきたのが、チームで急成長を遂げ左SBも務める伊藤。安定している谷口も、板倉次第だが選出の可能性は高い。欧州遠征で出場機会を得られなかった瀬古は厳しいか。右SBは酒井と山根のJリーグ勢が選ばれそうだ。左SBは中山に加え、エクアドル戦で見事な守備をみせた長友が入るとみる。
ミッドフィルダー
当確予想
- 遠藤航(VfBシュツットガルト/ドイツ)アメリカ戦:スタメン出場/エクアドル戦:途中出場(後半22分IN)
- 守田英正(スポルティングCP/ポルトガル)アメリカ戦:スタメン出場
- 伊東純也(スタッド・ランス/フランス)アメリカ戦:スタメン出場(後半23分OUT)/エクアドル戦:途中出場(後半38分IN)
- 鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)アメリカ戦:スタメン出場(後半41分OUT)/エクアドル戦:途中出場(後半22分IN)
- 三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC/イングランド)アメリカ戦:途中出場(後半23分IN)/エクアドル戦:スタメン出場(後半22分OUT)
- 久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)アメリカ戦:スタメン出場(後半23分OUT)
有力
- 田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ2部)エクアドル戦:スタメン出場
- 堂安律(SCフライブルク/ドイツ)アメリカ戦:途中出場(後半23分IN)/エクアドル戦:スタメン出場(後半38分OUT)
- 南野拓実(ASモナコ/フランス)エクアドル戦:スタメン出場(後半22分OUT)
拮抗
- 柴崎岳(CDレガネス/スペイン2部)エクアドル戦:スタメン出場(後半22分OUT)
- 原口元気(ウニオン・ベルリン/ドイツ)アメリカ戦:途中出場(後半41分IN)
- 相馬勇紀(名古屋グランパス)エクアドル戦:途中出場(後半22分IN)
可能性あり
- 旗手怜央(セルティック/スコットランド)
ボランチコンビは遠藤、守田のセットが中心だろう。両者ともに中盤の強度を上げられる選手だ。控えの最優力は田中碧か。柴崎の経験値は貴重だが、ポリバレントで定期的に出場機会を得ている原口、今回は出場機会のなかった旗手との争いとなる。
4-2-3-1への変更にともない生まれたトップ下で、一気に主力に定着しそうなのが鎌田だ。技術に加え戦術眼も素晴らしく、攻撃陣の中心に君臨しそう。また右SH(サイドハーフ)の伊東、途中出場が多くなりそうなものの左SHに欠かせない三笘、左右のSHに加え左のキッカーも務める久保は当確か。両SHの2番手以降には、右に堂安、左にE-1選手権から評価を上げWB(ウイングバック)でもプレーできる相馬が入るのではないか。
最終予選で得点を重ねた南野は、トップ下に入ったエクアドル戦でボールロストを繰り返し評価を落とした。メンバー入りの可能性は十分あるものの、システム変更の影響を受ける1人になるかもしれない。
フォワード
有力
- 前田大然(セルティック/スコットランド)アメリカ戦:スタメン出場(後半0分OUT)
- 上田綺世(セルクル・ブルージュKSV/ベルギー)エクアドル戦:途中出場(後半0分IN)
拮抗
- 古橋亨梧(セルティックスコットランド)エクアドル戦:スタメン出場(後半0分OUT)
- 大迫勇也(ヴィッセル神戸)招集外
- 浅野拓磨(VfLボーフム/ドイツ)招集外
可能性あり
- 町野修斗(湘南ベルマーレ)アメリカ戦:途中出場(後半0分IN)
もっとも競争が激しく、絶対的な選手がいないのがFWだ。アメリカ戦でスタメン出場した前田は得点は奪えていないものの、前線からの守備でビルドアップを封じたことで強豪相手の急先鋒役となる可能性が出てきた。
またエクアドル戦で途中出場し、他の選手にはないポストプレーなどの特徴を出した上田もメンバー入りの可能性を高めている。一方でアメリカ戦の後半に出場した町野、エクアドル戦にスタメン出場した古橋は特徴を出せず。今回の欧州遠征で招集外だった、チームでコンディションを上げつつある大迫、右膝内側側副靱帯断裂を負い保存療法中の浅野を、森保監督がどのように判断するかでメンバーが変わりそうだ。