日本が苦手とする相手だ
日本代表はワールドカップ・カタール大会でスペイン代表とドイツ代表との対戦が決まっている。残りの1枠は大陸間プレイオフの勝者が入ることになっており、対戦相手はまだ決まっていなかったが、15日に行われたプレイオフではコスタリカがニュージーランドを1-0で破り、W杯進出の切符を掴んだ。
北中米カリブ海予選を4位でフィニッシュしたコスタリカ代表。持ち味は堅守であり、予選での14試合では8失点しかしていない。それはパリ・サンジェルマンのケイロル・ナバスの存在が大きく、ニュージーランド戦では4セーブを記録している。しかし得点力不足は気になるところであり、14試合で13点しか奪えていない。
それでもニュージーランド戦ではゴールを決め、勝利を掴んでいる。そのスコアラーがFWジョエル・キャンベルだ。
母国であるコスタリアのクラブでキャリアをスタートさせ、2011年にプレミアリーグのアーセナルに引き抜かれたキャンベル。労働許可証の関係もあってトップチームでプレイすることなく、フランスのロリアンへ。その後はレアル・ベティスやオリンピアコスと複数のクラブを渡り歩き、14-15シーズンにアーセナルに復帰を果たす。翌年は19試合でピッチに立つなど存在感は示したが、再びレンタル生活が続きフロジノーネへの完全移籍を挟んで、21-22シーズンはメキシコのモンテレイでプレイしている。
クラブでは思い通りにいかないキャンベルだが、コスタリカ代表では順調にキャリアを積み上げており、キャップ数は117回と多い。大事なニュージーランド戦でもゴールを決めており、チームのエース的存在である。
コスタリカ代表はこれで2014年のブラジル大会から3大会連続での出場となる。ブラジル大会といえばウルグアイ、イタリア、イングランドと同組のグループDとなったが、コスタリカ代表は2勝1分の無敗で決勝トーナメントに進んでいる。キャンベルはグループステージのウルグアイ戦で貴重な同点弾を決めており、輝きを放っていた。
英『planet football』はコスタリカ代表をW杯出場に導いたキャンベルのこれまでのキャリアを振り返っている。クラブではパッとしなかったが、記憶に残るのはやはり2014年ブラジル大会での活躍であり、コスタリカの歴史の中で最も優秀な成績で終えた大会である。キャンベルやナバス含め当時のメンバーは残っている。10番のブライアン・ルイスは健在であり、センターバックではオスカル・ドゥアルテが最後尾からチームを支える。ニュージーランド戦ではボール保持率が33%と低かったが、ナバスを中心とした堅守でキャンベルの奪ったリードを守り切った。日本代表はチュニジア戦で露呈したように攻撃でのアイデアが乏しく、決勝トーナメント行きを目指すなら必須となる2戦目での勝ち点3獲得は難しいかもしれない(データは『SofaScore』より)。