日本代表を率いる森保一監督が、EAFF E-1サッカー選手権2022決勝大会を振り返った。

 27日に行われた韓国代表戦を3-0で制し、日本代表は4大会ぶりの大会制覇を達成。2018年夏から代表チームを率いる森保監督にとっては就任後初タイトルとなった。森保監督は「率直に言って、嬉しいです。選手・スタッフと努力した結果、優勝につながったことは嬉しい」と喜びを示しつつ、「ただ、カタールW杯で目標としていることを達成することが最大限の目標なので、まだまだ喜びを爆発させるにはなっていないかなというところです」と、FIFAワールドカップカタール2022本番に目を向けている。

 国内組のみを集めた今大会は、横浜F・マリノスから7名、サンフレッチェ広島から6名を招集した森保監督。「結果的にクラブの力を借りたところはあります。マリノスはJリーグで首位のチーム。結果を出しているチームにいい選手がいるチームから選ばれるのは必然と思います。今回は国内組だけの招集ですが、ブラジルW杯でドイツが優勝した時バイエルンからほとんどが招集されていたように、将来的にそういった形も日本でもあっていいかなと思います」と今回のメンバー選考について語った。

 そして、カタールW杯に向けては、E-1選手権の大会MVPに選ばれたMF相馬勇紀(名古屋グランパス)らがメンバー入りへのアピールに成功。欧州組も交えた今後のメンバー選考について森保監督は、「選ぶかどうかは視察を重ね、これまでの活動とW杯に向けてというところ、選手の情報をさらに集めて決めていきたい」と語った。また、アメリカ代表、エクアドル代表との対戦を予定している9月の欧州遠征について、「(E-1組から)連れて行きたい選手はいる?」との質問に対して「イエスです」と回答した。

 森保監督は代表初招集となったMF藤田譲瑠チマ(横浜FM)にも言及。20歳について、「良く動き、ボールに絡み、素晴らしい選手で、守備もアタックに行ける、アグレッシブにプレーできる選手」と評価しつつ、「すべてでもっとレベルを上げて、素晴らしい選手になってもらいたい。ボールを奪いきる、相手を止める力をつける、ボールに絡む回数も多く素晴らしいプレーもあるので、展開力、ボールを効果的に動かせる中継役として成長してほしい」と今後の成長に期待を寄せた。

 一方、韓国戦では、MF宮市亮(横浜FM)が右ひざを痛めて負傷交代するアクシデントも発生した。森保監督は同選手の状態について、「ゴールライン付近で痛んでいまして、試合中はメディカルから続行不可能と言われたので、すぐに(森島司との)交代としました。違う選手のカードを考えていましたが、判断を変えました。今の状況はまだ病院に行かず、ヒザを固定して、様子を見ているところです」と説明している。

 昨年6月の親善試合に続き、韓国代表に2試合連続で3-0の快勝。世代別も勝利を挙げているなか、韓国への苦手意識を克服しつつあると森保監督は考えているようだ。

「今の選手たちは韓国に対してもコンプレックスやメンタル的に引けを取っていることはまったくないです。やるべきことにフォーカスできていますし、どの国と戦っても互角に戦える、アジアの相手にはより高い確率で勝てるという自信を持っているのかなと見て思います」