日本代表のDF谷口彰悟(川崎フロンターレ)が韓国代表戦を振り返った。
27日、EAFF E-1サッカー選手権の最終戦の日本代表vs韓国代表が行われ、日本は3-0で勝利を収めた。
勝たなければ優勝できないという状況の中で迎えた日韓戦。3年前の同大会では最後に敗れて優勝を明け渡していた。
しかし、この日は日本が圧倒。アグレッシブに前半から戦うと、0-0で迎えた後半にゴールラッシュ。相馬勇紀、佐々木翔、町野修斗がゴールを決め、3-0で勝利。4大会ぶり2度目の優勝を達成した。
今大会ではキャプテンという重責を担った上、出場した2試合でクリーンシートの勝利に導く活躍を見せた谷口は、大会のベストDF賞も受賞。急造チームを優勝に導く大きな仕事を果たした。
ピッチ内では2試合を通して冷静さ、安定感が光った谷口だが、「プレッシャーは相当かかっていましたし、自分自身にもかけていたので、勝って終われてホッとしています」と、今大会を戦う上でやはり大きな重圧を感じていたことを明かした。
その裏には初招集組を含め、よりアピールが求められる選手と現代表である程度、立ち位置を築いている自身の立場の違いも少なからず影響したようだ。
「僕自身もプレーで見せていかなければならないですし、今回キャプテンを任せられたことで、チームとしても優勝して終わるという目標を達成したいという気持ちがありました。それぞれがアピールしたいという思いもありますが、チームとして勝つためにやらなければいけないこともある。その辺のバランスというか、そういったことを常に考えながらやらなければいけなかったので、そこがホッとしたという気持ちにつながったという印象です」
さらに、キャプテンとしては「とにかく、チームにならないといけない」という部分をチームメイトに強調。「とにかく、いろんなところでコミュニケーションを取ってやろうよということは言い続けていました。それを周りの選手が実践してくれたので、それはすごく助かりました。みんなで作り上げたことを実感していますし、同じ目標を全員で見据えながらやれたと思います」と、周囲の協力もあり、チームとして一体感を持って最後まで戦えたことに対する満足感を口にしている。
優勝が懸かった今回の一戦に向け、守備陣としてはまず相手の前線の起点を潰すことを意識していたという。
「韓国の戦い方は前線の9番の選手(チョ・ギュソン)がターゲットになるシーンが見受けられていたので、そこでまずは起点を作らせないことは、センターバックの2人のところでしっかりと話してやっていました。何度かうまく入れられてしまうシーンもありましたが、入れられた後に慌てずというか、ボランチがうまく挟みに来てくれて、そこら辺の出足は速くやれていたと思います」
国内組の中では最もカタール・ワールドカップ(W杯)のメンバー入りに近い選手の一人である川崎Fの主将DFは、「今日のようなゲームの中でも攻守にもっと違いを出せるような選手にならないといけない」、と、更なるレベルアップを自身に求めている。
また、今大会ではチーム最多タイの3ゴールを挙げた町野修斗(湘南ベルマーレ)を始め、多くの初招集組が存在感を示した。谷口は改めて代表でプレーすることによる、個人の成長を実感している。
「初招集の選手たちの成長の度合いというのは、この3試合で変わったと感じています。それは僕だけでなく周囲の人やメディアの方々も感じていると思います」
「こういう代表で戦うということは、成長を加速させてくれるとすごく感じましたし、また良い刺激を受けて、それぞれのチームに戻って、それを還元していくとJリーグの基準が上がっていくのかなと感じています。僕らにはその責任があると感じています」
一方で、海外組が持つ世界レベルの基準に関しては、「プレーの連続性やハードワークを惜しまないといったところは、まだまだ足りていない部分」、「今後全員がやっていかなければいけないところかなと思います」と、自身を含め、国内組が突き詰めていかなければならない課題だと指摘している。