【日本 3-0 韓国 E-1サッカー選手権2022】
EAFF E-1サッカー選手権2022決勝大会の最終戦が27日に行われ、サッカー日本代表は韓国代表を3-0で下し、4大会ぶりの優勝を果たした。
森保ジャパンとしての初タイトルに大きく貢献したのは、MF相馬勇紀だ。韓国代表戦に先発起用された相馬は、先制点を含め1得点1アシストでチームを勝利に導いた。大会を通じても3得点を挙げて得点王に輝き、大会最優秀選手賞も受賞している。
大会開幕前の取材の中で「見える数字だけが自分の中で目標」と宣言していたが、優勝で終えると「この大会に臨む前に、自分の中でチームのために結果を出す、自分の道を自分で切り開くというテーマを実は決めていた」と明かした。
相馬の中にはこれまで「チームで勝たせてもらった中にいた1人」という意識があった。2019年の前回大会で日韓戦に敗れて優勝を逃した悔しさも上乗せされ、今大会は自分の力でチームを優勝させるという意識がプレーの強く表れた。
「3試合とも本当に気持ちを全力で込めて、1つひとつを絶対に自分がやってやるんだという気持ちを持っていました。それをチームに還元しようというところで、特に日韓戦は歴史も長くて、3年前の悔しさも自分は知っていて、本当にレベルの高い相手とわかっていた。そこで何ができるか、そこでこチームに貢献できるかを考えて試合に挑みました」
日韓戦で相馬が挙げた先制点は、本人も「かなり久しぶり」と語るクロスにヘディングで合わせてのゴール。チームの2点目はコーナーキックでアシストした。大会初戦の香港代表戦では直接フリーキックでゴールネットを揺らすなど、多彩な方法で「見える結果」を残したのである。
韓国代表との試合が終わった後も「得点パターンも同じ形ではなくて、いろいろな形が増えてきている。いろいろな形で常にゴールを狙ってペナルティエリアの中に入っていこうという意識がゴールにつながったと思います」と自らの成長を実感しているようだった。
森保一監督は9月の欧州遠征に連れていきたい選手がE-1サッカー選手権のメンバーの中から出たかと問われて「イェス」と答えた。相馬はカタールワールドカップに近づいたのだろうか。本人の感覚では、すでに日本代表の中心となった同世代の選手たちと「同じ土俵には立ててない」という意識があるという。
それでも相馬は最後まで諦めることなく突き進んでいく。
「自分にとって、この大会では成功体験っがすごく大きかった。サイドハーフをやって、新しいことにどんどんチャレンジできて、幅が広がったなと実感していました。ワールドカップで戦うのはスペイン代表やドイツ代表、世界のトップレベルの選手なので、その相手とやった時にも通じるくらいのレベルアップが必要。今がどうこうより、ここからさらに成長していきたいと思います」
(取材・文:舩木渉)