豪華すぎるセレソンの争い

GKは試合途中に交代することが滅多にないポジションのため、2番手となった選手にはなかなか出番が回ってこない。何とも贅沢な話だが、ワールドカップ優勝候補のブラジル代表で2番手GKとなっているマンチェスター・シティ所属のエデルソン・モラレスも、なかなか出番を増やせないでいる選手だ。

ブラジルにはリヴァプール所属のアリソン・ベッカーがいる。年齢はアリソンの方が1年先輩で、10月2日に30歳を迎える。ライバルのエデルソンは1993年生まれの29歳だ。

エデルソンが代表デビューしたのは2017年のことだが、ワールドクラスのGKと評されるエデルソンがセレソンでは18試合しか出場できていない。現在ブラジルを指揮するチッチは、アリソンの方を好んで起用している。

今月のガーナ、チュニジアとの親善試合でもアリソンを起用しており、エデルソンはベンチだった。カタール大会へ向けた南米予選でもエデルソンが担当したのは5試合だけだ。

昨夏のコパ・アメリカは決勝トーナメントから全試合エデルソンが担当したが、このままいけばアリソン1番手でカタールへ乗り込む可能性が高い。

両者どちらが上かは人によって意見が分かれる。どちらもワールドクラスのGKで、現世界TOP10には入ってくるであろう実力者だ。攻撃の組み立てやロングフィードはエデルソンの得意技で、足下の技術では一歩先を行くか。しかしアリソンの方はシュートストップの精度が高い。どちらを優先するかはチームスタイルにも影響される。

4年前のロシア大会はアリソンが全試合担当しており、エデルソンはまだワールドカップ本大会でゴールを守ったことがない。エデルソンほどの選手が一度もワールドカップのピッチに立てないのは信じられない話だが、カタールの地で出番は巡ってくるのか。