サッカー日本代表は今年11月にFIFAワールドカップ・カタール大会を控える中、先月にドイツ国内でキリンチャレンジカップ2試合を開催。この日本代表戦開催や日本代表MF田中碧(24)の復活が、ドイツ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフと日本企業の関係強化を後押ししているようだ。

 日本代表は先月下旬、フォルトゥナ・デュッセルドルフのホームスタジアムでキリンチャレンジカップ2試合を実施。23日のアメリカ戦で2-0と勝利したほか、27日のエクアドル戦ではアウェイの雰囲気の中で0-0と引き分けていた。また田中碧はアメリカ戦で出番がなかったものの、エクアドル戦ではフル出場。W杯メンバー入りへアピールしている。

 フォルトゥナ・デュッセルドルフ所属の田中碧は、今季ここまでドイツ2部リーグで10試合中8試合に先発出場。主力選手として出場機会を確保しているが、『ビルト』は先月下旬に「田中碧は今季開幕から数試合では納得のいくプレーをしていたが、最近はダイブすることが多くなった」

 「データもそれを裏付けている。今季最初の4試合では90パーセント以上のパス成功率を誇っていたが、それ以降はどの試合でもこのノルマを達成できていない。デュエル勝利の確率も低迷している」と同選手のパフォーマンスを批判していた。

 しかし同選手は今月1日のアルミニア・ビーレフェルト戦で先発出場すると、47分に今季初ゴールをマーク。MFアペルカンプ真大(21)も2ゴールを挙げるなど、批判を浴びていた日本人2選手が躍動している。

 そんな中『ビルト』は「フォルトゥナ・デュッセルドルフが行動開始!日本企業へ働きかけ」と見出しをうち、スポンサー獲得にむけて動いているクラブの現状を特集。

 「デュッセルドルフのマーケティングチームは、アメリカ戦前に日本企業14社の幹部をイベントに招待。日立製作所、三井物産、日清食品などが参加した。そしてデュッセルドルフ幹部と日本企業関係者は、エスプリ・アレーナで日本代表対アメリカ代表を観戦した」

 「さらにデュッセルドルフは、すでにこれらの日本企業のうち3社との交渉を開始。彼らはスポンサーとして関わりたいと考えている」とリポートしている。

 『ビルト』は先月、田中碧やアペルカンプ真大を批判するとともに「デュッセルドルフは日本とのビジネスもうまくいっていない。ここにきて日立とトーヨータイヤがスポンサーから撤退した」

 「クラブ幹部は日本との関係が近かったため、カタールW杯中の日本ツアー開催を望んでいた。だが、日本ツアーは確実にマイナス・ビジネスであるため、実施されないことになった」と伝えていた。

 日本代表戦ドイツ開催は代表選手の疲労軽減のみならず、デュッセルドルフのビジネス面でも大きな効果をもたらしている。そのデュッセルドルフと日本企業による交渉の行方は、田中碧らのパフォーマンスに左右されるとみられる。