日本サッカー協会(JFA)は1日、カタール・ワールドカップ(W杯)に臨む日本代表の招集メンバー26名を発表した。
サッカー日本代表は今後、17日に大会前最後となる国際親善試合でカナダと対戦。W杯のグループステージでは初戦のドイツ戦(日本時間23日22時)、コスタリカ(日本時間27日19時)、スペイン(日本時間12月2日4時)とそれぞれ対戦する。

2022年カタールW杯 サッカー日本代表メンバー一覧​

GK
川島永嗣(ストラスブール)
権田修一(清水)
シュミット・ダニエル(シントトロイデン)

DF
長友佑都(FC東京)
吉田麻也(シャルケ)
酒井宏樹(浦和)
谷口彰悟(川崎F)
山根視来(川崎F)
板倉滉(ボルシアMG)
中山雄太(ハダースフィールド) ※負傷のため今大会は欠場
冨安健洋(アーセナル)
伊藤洋輝(シュツットガルト)

MF/FW
柴崎岳(レガネス)
遠藤航(シュツットガルト)
伊東純也(スタッド・ランス)
浅野拓磨(ボーフム)
南野拓実(モナコ)
守田英正(スポルティング)
鎌田大地(フランクフルト)
相馬勇紀(名古屋)
三笘薫(ブライトン)
前田大然(セルティック)
堂安律(フライブルク)
上田綺世(セルクル・ブルージュ)
田中碧(デュッセルドルフ)
久保建英(ソシエダ)
町野修斗(湘南ベルマーレ)※負傷欠場の中山雄太の代わりに追加招集

【FIFA ワールドカップ カタール2022・グループE】 コスタリカ戦(11/27)サッカー日本代表メンバーは以下の通り。

<先発スターティングメンバー>

GK
権田修一(清水エスパルス)

DF
長友佑都(FC東京)
吉田麻也(シャルケ04)
板倉 滉(ボルシア・メンヒェングラートバッハ)
山根視来(川崎フロンターレ)

MF
守田英正(スポルティングCP)
遠藤 航(シュトゥットガルト)
相馬勇紀(名古屋グランパス)
堂安 律(フライブルク)
鎌田大地(フランクフルト) 

FW
上田綺世(セルクル・ブルッヘ)

【FIFA ワールドカップ カタール2022・グループE】 ドイツ戦(11/23)サッカー日本代表メンバーは以下の通り。

<先発スターティングメンバー>

GK
権田修一 

DF
酒井宏樹
吉田麻也 
板倉滉 
長友佑都 

MF
遠藤航 
田中碧 
伊東純也 
鎌田大地 
久保建英 

FW
前田大然 


国際親善試合 カナダ戦(11/17)サッカー日本代表メンバーは以下の通り。

<先発スターティングメンバー>

GK
12 権田修一(清水)

DF
19 酒井宏樹(浦和)
3 谷口彰悟(川崎F)
4 板倉滉(ボルシアMG)
26 伊藤洋輝(シュツットガルト)

MF
7 柴崎岳(レガネス、CAP)
10 南野拓実(モナコ)
24 相馬勇紀(名古屋)
17 田中碧(デュッセルドルフ)
11 久保建英(ソシエダ)

FW
18 浅野拓磨(ボーフム)

<控えメンバー>

GK
1 川島永嗣(ストラスブール)
23 シュミット・ダニエル(シントトロイデン)

DF
5 長友佑都(FC東京)
22 吉田麻也(シャルケ)
2 山根視来(川崎F)
16 冨安健洋(アーセナル)

MF
14 伊東純也(ゲンク)
15 鎌田大地(フランクフルト)
8 堂安律(フライブルク)
21 上田綺世(セルクル・ブルージュ)
25 前田大然(セルティック)
20 町野修斗(湘南)

ーー以下、発表前の予想内容を掲載ーー

11月1日に決まるカタールW杯を戦う代表選手26人の顔ぶれはどうなるのだろうか?幾多の選手がこの26人に入るために闘ってきたので、出来るならその大部分が名を連ねてもらいたいが、残酷なことにW杯メンバーの椅子は26個しか用意されていない。

その26個の椅子に誰が座るのか?を、予想していこう。そこには考えなければいけない多くの要素があるし、戦うための最善策が入りこんでいなくてはならない。今回私たちはそんな想いでシミュレーションしてみた。

まず最初に、代表選手26人をどう分類するのか?が大事だ。フットボールは11人で行なうスポーツなので、11個のポジションが用意されている。そのポジション別に最適な選手を配するのがセオリーだ。しかし、ここでやっかいなのが、そのポジションに意味を持たせるフォーメーションだ。

・「3バック」で戦うのか、「4バック」で戦うのか
・「4-3-3」なのか「4-2-3-1」なのか

で、ポジションの数は微妙に変わってくる。もちろん、フットボールでは、「どの選手が・どの場所で・どんなプレーをする」のも自由だし、誰がゴールを決めてもよい。そんな中で、自軍のフォーメーションとシステムの幅は時間の経過とともに変化する。

時間の経過は、その時のスコアの内容とも言える。0-1で負けているのに、守りを固める配置では意味を持たないし、逆に1-0で勝っているときに、前(攻撃陣)を厚くして、無理やり点を獲りにいく必要もない。

仮にラスト10分で0-0であっても、その試合の位置付けと、その時の勝ち点、そして対戦相手との駆け引き、監督の思考(さらに言えばその国の文化)によって、選手の配置と役割は変わる。つまり、一瞬一瞬、その場その場で、最適解が変わる。

今回の予想では先発ピッチの並びとして、4-2-3-1をベースに考えた。

理由は我々日本代表がもっとも馴染みのある並びであると同時に、9月の最終(直前)2試合(※)で戦ったベースとなるフォーメーションだからだ。

また、「各ポジションには絶対的に【バックアップ】が必要」という概念も外せない。スーパーな選手の代わりはいないからといって、そのポジションと役割を担う選手を用意せずにたった一人に任せてW杯に臨むことはほとんど自殺行為となる。

なので、26という数字は「22(11*2)+4」という数式になる。

また、これまでの歴史から、各々のゾーンに大会を乗り切るに必要な人数というのがセオリーとして固まっているので、それも当然チェックポイントにおいた。

通常の内訳は、GK3 DF8 MF11 FW4の「3+8+11+4」だが、DFとMF、MFとFWを兼務できる選手を入れることでこの数は少し変化するかもしれない。
 

GK【3枠】

1)権田修一

アジア予選から完全に正GKの位置を確保した。若手筆頭のイメージが強い権田も、もう33歳。まさに円熟期に入った。足元の安定度もグンと増しているし、何事もなければドイツ戦のスタート時は彼が国歌を斉唱しているだろう。

2)シュミット・ダニエル

GKがゾーンに入ったときほど厄介なものはない。どんなシュートをどこに撃とうとも、GKのセーブと身体で防がれ、点が永遠に入らない雰囲気になることがある。そんな「ゾーン入り」にもっとも近いのがシュミット・ダニエルの現在の状況だ。シントトロイデンでも神セーブを連発している彼が、もしかすると一気に逆転でドイツ戦のスタートピッチに立っているかもしれない。

3)川島永嗣

W杯11試合出場は長友佑都、長谷部誠とともに日本人W杯最多出場記録となっている川島。そんな川島には名実ともに代表メンバーから圧倒的な信頼を得て、およそ10年にわたって日本のゴールを守ってきた。39歳となった今もなお海外で戦い続け自身を磨き続けている。いまや日本代表の精神的支柱となった。カタールで悲願のベスト8以上進出を狙う。

DF【8枠】(CB=5 SB=3)

CB=5

4)吉田麻也

何年も日本の最終ラインを彼が守ってきた。よほどのことがない限り、今回の代表の守りの要は彼だろうし、キャプテンマークを巻くのも吉田だろう。

5)冨安健洋

とにかく「間に合った」。今、日本でもっともブランド価値が高い男。あのサラーを完封したのだから、ヴェルナーでもミュラーでも、モラタでもトーレスでもアセンシオでも、どんと来いだ。

6)谷口彰悟

吉田・冨安のバックアッパーの筆頭が谷口だろう。代表入り当初の心細さはもうなく、とくにアジア最終予選の痺れるサウジアラビア戦の抜群の安定感がもたらしたクリーンシートは記憶に新しい。谷口がいつでも違和感なくこのメンツのラインに入って堂々と振る舞えるのは、非常に心強い。

7)伊藤洋輝

伊藤をスタートから使うために、本当は「3バックでもいいのでは?」と思わすぐらい魅力ある選手だ。特に左のロングフィードの弾道の低さとスピードは特筆。W杯となれば、日本が「ポゼッションで押しまくる」という場面が基本的にはないわけで、DFが持ったら一気に前線のスペースやサイド奥深くに反転攻勢したい。その時の第一スカッドが伊藤の左足だと思う。

8)板倉滉

怪我次第。これに尽きる。本来であれば「冨安-板倉」の2枚でラインを組みたいところだった。あとは板倉の膝次第だ。ボルシアMGは嫌がるだろうが、板倉滉の名前が入ったメンバーリストを是非見てみたいと思う。

SB=【3】

9)酒井宏樹

なんと言ってもマルセイユの右を張った男である。そのパフォーマンスの高さに対する信頼はゆるぎない。酒井宏樹が絶不調でサイドをボコボコにされたのを見た記憶がない。安定度も高く、そして奥深く入った際の折り返しの正確性も高い。ドイツやスペインのサイドアタッカーを、酒井のその威圧力で封じて欲しい。

10)長友佑都

2010年から3大会連続でワールドカップに出場してきた日本代表不動のサイドバック、長友。彼の代表としての出場数は歴代2位の136試合にのぼる。これまでのワールドカップで栄光と挫折を味わってきたシブトさが長友の真骨頂だ。今までの起用法では、スタート長友で、変化を求めるときに中山投入というパターンなので、今大会でもスタートピッチに立つ可能性は高いだろう。

11)中山雄太

「長友とセットで左を担う」というイメージが強いが、実はもう一人、中山がセットを組む選手がいる。三笘薫だ。この2人が同時交代で左に入るとき、日本代表のスイッチが入る。今の日本代表でこの「左のアクセント」「左の崩し」は重要な武器となっていて、そういう意味ではDFとは別の意味で欠かせない存在だ。

MF【11枠】

12)遠藤航

守田と並んでこのチームのキープレイヤー。吉田がピッチにいない場合はおそらくキャプテンマークも巻くだろう。ドイツ・ブンデスリーガでの2年連続のデュエル王の存在は、各国の面々からも一目置かれるに違いない。

13)守田英正

守田が所属しているスポルティングの監督、ルベン・アモリム曰く「守田については良いことしか言えない。彼のような価値ある選手が(チームに)いることを嬉しく思う。彼はあらゆるポジションでのプレーを厭わないし、常に得点する意欲がある」。このコメントが守田の重要性と必要性をすべて表している。

14)伊東純也

伊東がもし右サイドを支配することができれば、日本代表がW杯のグループステージを突破する可能性は飛躍的に上がるだろう。彼は歴代のスピードスターとは少し違う。技術と突破とスピードと得点意欲の全てが同じレベルで揃っている。伊東こそが「我々」日本代表の最も重要な攻撃ピースだ。

15)鎌田大地

現在、守田に続いて、いや、守田以上に絶好調なのが鎌田だ。本来のポジションから少し下がったトップ下で一気に才能が開花。今やフランクフルトの最重要ピースとなっている。このポジションでは南野、久保、(さらには香川)がライバルとなるが、今の序列では彼が一番手だろう。もしこのポジションを他に譲るとなると、もしかしたら鎌田がワントップ(FW)に入るかもしれない。ただその時は「0トップ」になるだろうが。

16)久保建英

しばらく苦悩していたあのバルセロナの天才。ここに来てレアル・ソシエダで一気に開花した。あのキープ力と閃き、そしてスター性を考えると、このW杯メンバーから落ちるという可能性は10%もないと思う。そもそも久保が10歳の時から我々日本サッカー界は久保のW杯出場を待ち望んでいたのだから。

17)田中碧

日本代表がW杯に4-3-3で臨む可能性は低いが、とはいっても田中碧が必要不可欠な選手であることに変わりはない。そもそもアジア予選で窮地に立ったオージー戦で彼のあのスーパーなパフォーマンスがなかったら、カタールW杯に行けなかったかもしれない。守田のバックアッパー、遠藤のバックアッパーとしてだけでなく、万一、ドイツ戦で、ラスト10分で、1点リードという場面になれば、きっと田中碧がピッチに立っているだろう。

18)旗手怜央

日本がビハインドを背負い、バランスを最低限に保ちながらも攻撃力をアップさせたいとき、また0-0で試合が進むも、なんとか勝ち越しを狙いにいきたいとき、旗手の存在が生きるのではないか?旗手のボールをキープする姿や、独特のステップ、カウンター展開の球筋の美しさ…モドリッチを翻弄したボールコントロールとボールキープをカタールでも見てみたい。

19)堂安律

伊東のバックアッパーの筆頭候補が堂安だ。伊東がもし、完全マークに合って、機能不全に陥り、右サイドがまったく作動しなくなった際には、堂安にその打開を求めることになる。堂安の中への切り込みは、伊東にはない魅力があるので、堂安が存在感を発揮する場面が来るかもしれない。

20)三笘薫

日本が誇る左のスカッド。秘密兵器。それが三笘だ。おそらく相当に研究されているだろうが、あの独特の右足の切り返しは、研究したからといって止められるものではないだろう。三笘がハルステンベルクやアスピリクエタを置き去りにする景色を是非見てみたい。

21)南野拓実

代表の10番を背負う男でもある。現在は苦しい状況ながらも、彼の能力で26人に入らないというのは考えたくない。代表では左で起用されることが多いが、実際は4-2-3-1の3の中が定位置。ただ今はそこに鎌田がいるので、もし鎌田ワントップ起用が浮上すれば南野は一気に主要メンバー入りになるはずだ。

22)原口元気

現在の原口のプレーは、ゲームをこのまま終わらせるための「クローザー」であったり、危険な局所を守る「ガーデナー」であったり、独特の役割を担う内容になっている。いわゆる「汚れ役」とも言え、この役割をしっかりと高いレベルで確実にこなすのは、実は原口だけなのかもしれない。

FW 【4枠】

23)前田大然

日本はドイツやスペイン(もちろんコスタリカだって)相手にポゼッションで優位に立つことは難しいだろう。必然、ボールを「追いかける」「回される」時間帯が多くなるはずだ。その「追い回す力」で言えば、前田はその筆頭格となる。FWの第一条件が「追い回す力」というのも淋しい感じはするが、現実を考えると優先すべきポイントだ。事実、アメリカ戦の彼の追い回しは、期待どおりのものだった。

24)古橋亨梧

セルティックで得点を量産していた印象が強すぎて、「もう代表のFWは古橋で決まり」と当時は思い込んでいたが、いざ代表に入るとシステムの関係や周りとの連携など、本来の輝きは失われて、前線で孤立しているシーンが多いのも残念ではある。前田-古橋の共演はこの代表ではなかなか実現しなさそうだが、彼のポテンシャルやゴール前の駆け引きなどに期待したい。

25)大迫勇也

今の代表の前線を見回して、ポストプレーの確実さ、コーナーをもらったときのヘッドでの得点の匂い(期待度)、前線でファールを貰うテクニック(身体の入れ方)は、やはり一日の長があり捨て難い。神戸でのプレーも復調の兆しが見られているので、メンバー入りに期待したい。

26)浅野拓磨

現在の評価と序列でいけば、ここは上田綺世が入る可能性が高い。しかし第3FWは、リズムを変えたり、個人能力で何かを変える力が必要になるので、その意味では怪我の回復前提で浅野の方にその可能性があるのではないか?という狙いで浅野を4番目のFWメンバーに。もし浅野が入れば、今回のサプライズになるだろう。


※欧州遠征(ドイツ)のアメリカ戦(9/23)、エクアドル戦(9/27)のサッカー日本代表メンバーは以下の通り。

GK

1.川島永嗣(RCストラスブール / フランス)
12.権田修一(清水エスパルス)
23.シュミット・ダニエル(シントトロイデンVV /ベルギー)
30.谷晃生 (湘南ベルマーレ)

DF

5.長友佑都(FC東京)
22.吉田麻也(シャルケ/ドイツ)
19.酒井宏樹(浦和レッズ)
3.谷口彰悟(川崎フロンターレ)
2.山根視来(川崎フロンターレ)
20.中山雄太(ハダースフィールド/イングランド)
16.冨安健洋(アーセナル/イングランド)
28.伊藤洋輝(VfBシュツットガルト/ドイツ)
4.瀬古歩夢(グラスホッパー/スイス)

MF/FW

8.原口元気(1.FCウニオンベルリン/ドイツ)
7.柴崎岳(CDレガネス/スペイン)
6.遠藤航(VfBシュツットガルト /ドイツ)
14.伊東純也(スタッド・ランス/フランス)
10.南野拓実(モナコ/フランス)
9.古橋亨梧(セルティック/スコットランド)
13.守田英正(スポルティング/ポルトガル)
15.鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)
27.相馬勇紀(名古屋グランパス)
18.三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン)
25.前田大然(セルティック/スコットランド)
24.旗手怜央(セルティック/スコットランド)
21.堂安律(フライブルク/ドイツ)
26.上田綺世(セルクル・ブルッヘ/ベルギー)
17.田中碧(デュッセルドルフ/ドイツ)
29.町野修斗(湘南ベルマーレ)
11.久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)


photo:徳丸篤史 Atsushi Tokumaru