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 FIFAワールドカップ(W杯)で使用された公式球の概要や歴代の変遷、レプリカの販売情報について紹介します。

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目次

  • ワールドカップ公式球の概要
  • ワールドカップ公式球・歴代の変遷
  • ワールドカップ公式球のレプリカ販売情報
  • まとめ

ワールドカップ公式球の概要

 FIFAワールドカップカタール2022で使用する大会公式球はアディダス社の「AL RIHLA」(アル・リフラ)です。

 「アル・リフラ」とはアラビア語で「旅」の意味。ワールドカップを通じて世界がひとつになっていくことを願い、『世界をつなぐ旅が、ここからはじまる。』というコンセプトが込められています。

 アル・リフラのデザインは、カタールの国旗・文化・建築物から着想され、パネルにはPASSION(情熱)、FAIRPLAY(フェアプレイ)、COLLECTIVE(集団的)、TEAMWORK(チームワーク)、RESPECT(尊敬)、RESPONSIBILITY(責任)を6つの言語で表現。表面にはカタールの伝統産業である真珠を連想させるパール調の光沢原反に施し、湧き上がる様々な感情や多様性に富んだ各国のアイデンティティ、現代サッカーのプレースピードを連想させる多彩なカラーリングとグラフィックが採用されています。

 機能に関しては、アディダス社独自の新形状「スピードシェル」を新搭載。大小2種類の異形状のパネルを20枚使用した組み合わせは空気抵抗を減らし、キックの正確性と飛行安定性に貢献します。

 また新形状の突起(エンボス)状シボと陥没(ディボス)状シボを採用し、カーブのかかりやすいボールを実現。表皮構造は熱接合技術により縫い目がなく、どこを蹴っても同一の反発力が生じ、正確なパスやシュートの実現が可能となっています。

 サステナビリティにも配慮されたこのボールは製造過程における廃棄物を削減。材料の効率化も実現され、より少ない材料で作られています。また再生可能な水性のインクや接着剤などを使用しており、よりエコフレンドリーなボールとなっています。

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ワールドカップ公式球・歴代の変遷

1930〜1970年

 第1回大会となる1930年のウルグアイ大会の公式球は、イギリス製で2種類のボールがありました。ひとつはサイドの革がT字型になっている「Tモデル」で、もうひとつは12個のパネルを組み合わせた「12パネルボール」。すべてが手縫いで作られていました。

 1934年のイタリア大会では、開催国のイタリア製が採用。13枚の革を紐で閉じた「Federale 102」モデルが使用されています。

 1938年のフランス大会では、フランス製の「Allen」というボールが使われ、1950年のブラジル大会では「Super Ball Duplo T」が使われました。このボールはバルブがつけられ、そこから空気が入れられる構造となっており、紐で閉じる必要のない初めてのボールでした。

 1954年のスイス大会で使用されたのは「Swiss World Champion」。18枚のパネルで構成された黄色のボールです。続く1958年のスウェーデン大会では「Top Star」というボールを採用。茶色、白、黄色と、3種類のカラーがありました。

 1962年のチリ大会で採用されたのは、チリ製の「Mr. Crack」。六角形と長方形のパネルが組み合わされた複雑な見た目のボールでした。そして1966年のイングランド大会で使われた「Slazenger Challenge」は、25枚のパネルで構成されたボールでした。

FIFAのパートナーであるアディダス社製になったタイミング

 ワールドカップでは開催国で作られたボールが使用されることが多かったのですが、1970年大会からはアディダス社製のボールが採用されることになりました。アディダス社は同年からFIFAに協賛し、FIFAワールドカップの公式パートナーを務めています。

「TELSTAR」(テルスター)

 1970年のメキシコ大会で使われたのは「TELSTAR」(テルスター)。ワールドカップを世界中の人々がテレビで観戦できるようになった時代のスター(星)という意味からネーミングされています。また12個の黒い五角形と20個の白い六角形で構成された現在のボールの原型とも言えるモデルとなっています。

 1974年の西ドイツ大会でも「TELSTAR」が使われました。メキシコ大会とはブランドロゴの色が変わっています。

「TANGO」(タンゴ)

 1978年のアルゼンチン大会で使われたのは「TANGO」(タンゴ)。アルゼンチンの音楽「タンゴ」をイメージしたデザインで、独特の見た目はボールがピッチを転がる際に視覚的な楽しみを演出しています。翌1982年のスペイン大会では「TANGO」をマイナーチェンジした「TANGO ESPANA」(タンゴ・エスパーニャ)を採用。防水性を備えた密閉式縫い目が特長のボールです。

「AZTECA」(アステカ)

 1986年のメキシコ大会では「AZTECA」(アステカ)というボールが使われました。アステカ文明の歴史を表現したデザインで、ワールドカップでは初めて人工皮革製のボールとなりました。

「ETRUSCO UNICO」(エトルスコ・ユニコ)

 1990年イタリア大会の公式球は「ETRUSCO UNICO」(エトルスコ・ユニコ)。古代文明エトルリアの歴史を表現したデザインで、内層にポリウレタンが採用されたことで、優れた防水性を実現しています。

「QUESTRA」(クエストラ)

 1994年のアメリカ大会で使われたのは「QUESTRA」(クエストラ)です。星をイメージさせるデザインで、蹴り出される瞬間のスピードを表現。ボールのスピードを速める技術が採用されています。

「TRICOLORE」(トリコロール)

 1998年のフランス大会では「TRICOLORE」(トリコロール)というボールが使われました。ネーミングはフランス国旗に由来したもの。フランスのシンボルである雄鶏と、近代フランスのシンボルである高速列車とタービンが融合されています。またグラスプリントとシンタクティックフォームという、ふたつの新しいテクノロジーが採用されています。

「FEVERNOVA」(フィーバーノヴァ)

 2002年の日韓大会の公式球は「FEVERNOVA」(フィーバーノヴァ)です。「FEVER」は熱気、「NOVA」は新星を意味。デザインは日本と韓国の情熱や技術革新を称える意味が込められ、軽量かつ高強度のシンタクティックフォームがボールの内側に使われています。

「+TEAMGEIST」(+チームガイスト)

 2006年大会のドイツ大会で使われたのは「+TEAMGEIST」(+チームガイスト)。「チームスピリット」が加わることでより強くなれるという意味が込められています。パネルが14枚しかない革新的なデザインとテクノロジーが特徴で、継ぎ目を熱融着させているため、究極の球体が実現されています。

「JABULANI」(ジャブラニ)

 2010年の南アフリカ大会の公式球は「JABULANI」(ジャブラニ)でした。南アフリカの公用語で「祝杯」を意味。8枚のパネルで構成されたボールは「+TEAMGEIST」を進化させたもの。ただし、異なる素材と形状のパネルをつなぎ合わせたゴールは空気の流れが変化しやすく、シュートが伸びたり、ブレ球が起こりやすいなどの影響がありました。

「BRAZUCA」(ブラズーカ)

 2014年のブラジル大会では「BRAZUCA」(ブラズーカ)が使われました。これまでの公式球の中では最も少ない6 枚のポリウレタン製パネルで作られており、十字形のパネルを採用することでスピードアップやボールの球形維持が向上しました。ブラジル伝統の 「Wish Bracelets」 をモチーフにしたリボンデザインが特徴で、名前は公募によって決定しました。

「TELSTAR18)(テルスター18)

 2018年のロシア大会では「TELSTAR18)(テルスター18)が公式球となりました。メキシコ大会で使用された「TELSTAR)」からインスピレーションを得たボールは、デジタル時代を象徴したデザインとなっています。またボールにはNFCチップが内蔵され、スマートフォンを通じて様々な情報を得ることが可能となりました。

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ワールドカップ公式球のレプリカ販売情報

 カタール大会の公式球「AL RIHLA」は、アディダス オンラインショップ、アディダス アプリ、アディダス直営店で2022年3月30日より先行発売され、4月14日より全国の取扱店で一般販売されています。

 またレプリカはキッズ用の4号球や、日本代表カラーの青い「AL RIHLA」も販売されています。

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まとめ

 かつては紐で閉じられていたボールは、現在は縫い目がなく、NFCチップが内蔵されるなど、デザイン的にもテクノロジー的にも大きく進化を遂げました。

 ボールの進化によって、サッカーも進化を遂げています。最新の技術が詰まった今大会の公式球は、スピード感あふれる現代サッカーのクオリティをより高めてくれるはず。大会の盛り上げに一役買ってくれるでしょう。

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