スタッド・ランス所属のFW伊東純也(29)は、FIFAワールドカップ・カタール大会出場がほぼ確実とみられている。伊東純也の日本代表と所属クラブにおける起用法が異なる中、森保一監督は同選手の前線起用に前向きな姿勢を見せていた。そんな中、AP通信は日本代表の前線の布陣について興味深い見解を示している。

 伊東純也は今年7月末にKRCヘンクからスタッド・ランスへ完全移籍。新天地では前線2トップの一角でレギュラーに定着しており、リーグアンで4ゴール1アシストをマーク。今月23日開催のリーグアン第12節のオセール戦では、試合終了間際に値千金の勝ち越しゴールをあげて、チームを勝利に導いている。

 ただフランスメディア『Essonneinfo』が先月1日に伝えたところによると、本人は前線でのプレーについて「(右ウイングよりも)今のポジションの方が自分の良さを発揮できないかもしれないと思っています。でもそれがチーム方針なので、今はどうしようもないですね」と語っていたという。

 一方日本代表では右ウイングを主戦場としており、カタールW杯アジア最終予選では4試合つづけてゴールを奪取。先月下旬のキリンチャレンジカップ2試合でも右サイドでプレーしているが、森保一監督はスタッド・ランスでの現状を踏まえて、同選手の前線起用をひとつのオプションとして考慮に入れている。

 そんな中、AP通信はカタールW杯日本代表について「9月に行われたアメリカ代表、エクアドル代表との親善試合で、森保一監督はまったく異なるメンバーを起用した。それだけに初戦のドイツ戦で誰を起用するかはまだ分からない」と言及。

 その上で「もし優先順位が高ければ権田修一がゴールを守り、アーセナルの冨安健洋とこれまでW杯に2度出場した吉田麻也がセンターバックで起用される可能性が高い。シュツットガルトのキャプテンを務める遠藤航と守田英正が中盤を固めるだろう」と予想。

 「アイントラハト・フランクフルトで好調なシーズンを送っている鎌田大地がプレーメーカーとして台頭してきた。東京五輪日本代表の中心選手である久保建英と三笘薫が先発出場するのか、それともスーパーサブとしてベンチスタートとなるかは不明だ」と前線の顔ぶれについて綴っている。

 そして伊東純也の起用法については「伊東純也は右サイドハーフが本職だ。森保一監督がセンターフォワードで大迫勇也以外を選ぶ場合、スタッド・ランスのスピードスターを起用する可能性がある」と言及。前線1トップでセルティックFW古橋亨梧(27)やFW前田大然(24)よりも序列が上であるとの見方を示した。

 なおAP通信は、FC東京所属DF長友佑都(36)とストラスブール所属GK川島永嗣(39)のW杯代表メンバー入りが必至と主張。「今回の日本代表は全体的に大舞台での経験が浅いかもしれない。森保一監督は川島永嗣や長友佑都といったベテランをベンチ入りさせ、若手選手を落ち着かせるかもしれない」と見解を述べている。