代表チームでこれほどハイレベルなFWを複数抱えているのは珍しい

ワールドカップ・カタール大会が近づいているが、『決定力のあるストライカー』を抱えている代表チームはどれだけあるだろうか。

選手を獲得するという手段があるクラブチームに対し、代表チームはそうもいかない。すべての選手は自国で育成する必要があり、その中でも決定力のあるストライカーを育てるのはかなり難しいミッションである。

それを達成しているチームの1つに、セルビア代表が挙げられる。ドラガン・ストイコビッチ率いるセルビアにはユヴェントス所属のドゥシャン・ヴラホビッチ、フラム所属のアレクサンダル・ミトロビッチのハイタワー2枚が揃っており、昨季この2人はクラブシーンで72ゴールを奪っている。

ミトロビッチの場合は昨季をイングランド2部で過ごしているが、その実力はプレミアリーグでも十分に通用する。今季ここまでプレミアリーグで9ゴールを挙げており、その得点力は本物と見ていいだろう。

英『Daily Mail』は、この2トップを元アーセナルのティエリ・アンリ&デニス・ベルカンプ、元マンチェスター・ユナイテッドのアンディ・コール&ドワイト・ヨークに近いコンビとまで評価している。もっともこの2つのコンビはクラブチームだからこそ実現したもので、それに近いコンビを代表で実現できる今のセルビアは実に羨ましいチームだ。

そこにフィオレンティーナFWルカ・ヨビッチも絡めれば文句なしだ。ヴラホビッチはコンディションが気になるところだが、この3枚がカタールの地で躍動すればセルビアは面白くなる。センターフォワードに限定すれば、今大会で1、2を争う豪華メンバーと言ってもいいのではないか。特にヴラホビッチとミトロビッチは単純なハイボールを放り込むだけでもトラブルを生めそうな予感がある。

日本代表が対戦するドイツ代表やスペイン代表でさえセンターフォワード問題に悩む中、複数の実力者を擁しているセルビア。彼らにとって今大会は間違いなくチャンスであり、重戦車コンビとも言えるヴラホビッチ&ミトロビッチがどこまで機能するか楽しみだ。