11月20日に開幕するFIFAワールドカップカタール2022。プレミアリーグで活躍するタレントで構成された前回大会ベスト4、イングランド代表の戦術、予想フォーメーション、予想スタメンを紹介する。

【イングランド代表 カタールW杯2022メンバー】

GK

ジョーダン・ピックフォード(エヴァートン)
ニック・ポープ(ニューカッスル)
アーロン・ラムズデール(アーセナル)

DF

トレント・アレクサンダー・アーノルド(リヴァプール)
コナー・コーディ(エヴァートン)
エリック・ダイアー(トッテナム)
ハリー・マグワイア(マンチェスター・ユナイテッド)
ルーク・ショー(マンチェスター・ユナイテッド)
ジョン・ストーンズ(マンチェスター・シティ)
キーラン・トリッピアー(ニューカッスル)
カイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ)
ベン・ホワイト(アーセナル)

MF

ジュード・ベリンガム(ドルトムント)
コナー・ギャラガー(チェルシー)
ジョーダン・ヘンダーソン(リヴァプール)
メイソン・マウント(チェルシー)
カルビン・フィリップス(マンチェスター・シティ)
デクラン・ライス(ウェストハム)

FW

フィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)
ジャック・グリーリッシュ(マンチェスター・シティ)
ハリー・ケイン(トッテナム)
ジェームズ・マディソン(レスター)
マーカス・ラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)
ブカヨ・サカ(アーセナル)
ラヒーム・スターリング(チェルシー)
カラム・ウィルソン(ニューカッスル)

エースは“ハリケーン”

主力にはプレミアリーグのビッグスターが揃う。

アタッカー陣はキャプテンでもある“ハリケーン”ことFWハリー・ケイン(トッテナム)を筆頭に、現代サッカーの申し子と呼ばれるフィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)、テクニカルなスピードスターのラヒーム・スターリング(チェルシー)、2021-2022のイングランド代表最優秀選手賞になったブカヨ・サカ(アーセナル)などタレントがひしめく。

前線の構成は基本的にはケインを1トップに、2シャドーをフォーデンとスターリングが担う。CFのケインが前線でボールをキープし、2列目の選手がスキルやアイデアを発揮する。

中盤では19歳のジュード・ベリンガム(ドルトムント)、2021年の欧州選手権で活躍した23歳のメイソン・マウント(チェルシー)、デクラン・ライス(ウェストハム)といった新世代のスターが構える。ジョーダン・ヘンダーソン(リヴァプール)のように、堅実な仕事ができる選手が控えているのも心強い。

ワイドは右のカイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ)と左のルーク・ショー(マンチェスター・ユナイテッド)がファーストチョイス。サイドからのクロスはイングランドの伝統とも言える武器だが、アタッカー色の強いサカがウイングバックに入ることで、よりアタッキングサードに関わる人数を増やし、フィニッシュワークに迫力を出すことができる。

8部から這い上がったGK

全体的には前がかりになりやすい布陣を3枚の屈強なバックラインが支える。左のハリー・マグワイア(マンチェスター・ユナイテッド)と右のジョン・ストーンズ(マンチェスター・シティ)は対人の強さで世界に誇る2ストッパーだが、やはり元々の本職が中盤だったリベロのエリック・ダイアーが良質なビルドアップと守備の安定を握っている。

4-3-3にすることで、ベリンガムとライスという中盤のファーストセットに22歳のコナー・キャラガー(チェルシー)を加えることで、縦パスや2列目からの飛び出しを増やすというオプションもある。

プレミアリーグの上位陣がほとんど外国人GKで占められていることから、GKに関しては多少の不安は否めない。ただ、今大会の正GKと見込まれるニック・ポープ(ニューカッスル)は8部リーグから実績を積み上げてきた苦労人。ワールドカップで大活躍すれば、シンデレラストーリーといえるだろう。

“曲者”揃いのGLを勝ち抜けるか

イングランド代表でキャプテンを務めたガレス・サウスゲイト監督は就任した2016年の9月以降、2018年のロシアワールドカップでベスト4、昨夏に行われた欧州選手権では準優勝。イングランド国民の優勝への期待は自ずと高まっている。

過去にワールドカップで優勝したことがあるのは8カ国のみ。イングランドは1966年の自国開催で優勝したが、それを最後に決勝にも勝ち上がることができていない。プレミアリーグの隆盛を背景にタレントが充実している今大会は、優勝のチャンスが到来したと言えるだろう。

グループステージでは、同じイギリスの同胞でもあるウェールズ、4年後に自国開催のワールドカップを控えるアメリカ、前回スペインやポルトガルを苦しめたイランといった“曲者”揃い。

若手が多いだけに、大会の入り方をしくじると、一気に飲まれてしまうリスクもある。大躍進の期待と大惨敗の不安、両方を持っているのが今回のイングランドだ。

■イングランド代表予想フォーメーション(3-4-3)

FW
CF:ケイン
右シャドー:フォーデン
左シャドー:スターリング

MF
右ウイングバック:ウォーカー
右セントラル:ベリンガム
左セントラル:ライス
左ウイングバック:ショー

DF
右センターバック:ストーンズ
中センターバック:ダイアー
左センターバック:マグワイア

GK
ポープ

文・河治良幸