11月20日に開幕するFIFAワールドカップカタール2022。2002年の日韓大会以来、20年ぶり史上最多6度目の優勝を狙うブラジル代表の戦術、予想フォーメーション、予想スタメンを紹介する。

【ブラジル代表 カタールW杯2022メンバー】

GK

アリソン・ベッカー(リバプール)
エデルソン・モラレス(マンチェスター・シティ)
ウェベルトン(パルメイラス)

DF

アレックス・サンドロ(ユヴェントス)
アレックス・テレス(セビージャ)
ダニエウ・アウベス(プーマス)
ダニーロ(ユヴェントス)
グレイソン・ブレーメル(ユヴェントス)
エデル・ミリトン(レアル・マドリード)
マルキーニョス(パリ・サンジェルマン)
チアゴ・シウバ(チェルシー)

MF

ブルーノ・ギマランイス(ニューカッスル)
カゼミーロ(マンチェスター・ユナイテッド)
エベルトン・リベイロ(フラメンゴ)
ファビーニョ(リヴァプール)
フレッジ(マンチェスター・ユナイテッド)
ルーカス・パケタ(ウェストハム)

FW

アントニー(マンチェスター・ユナイテッド)
ガブリエル・ジェズス(アーセナル)
ガブリエル・マルティネッリ(アーセナル)
ネイマール(パリ・サンジェルマン)
ペドロ(フラメンゴ)
ラフィーニャ(バルセロナ)
リシャルリソン(トッテナム)
ロドリゴ(レアル・マドリード)
ビニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)

“ネイマール依存症”との決別

カタール大会の優勝候補筆頭といっていいだろう。

前回大会は準々決勝でベルギーに敗れて大会を終えたが、その試合のスタメンで現在も主力として残るのは守護神のアリソン(リヴァプール)と百戦錬磨のDFチアゴ・シウバ(チェルシー)、エースのネイマール(パリ・サンジェルマン)ぐらい。

2016年6月からブラジル代表を率いているチッチ監督は、所属クラブやアンダー世代でブレイクした若手を積極的に登用して、競争を活性化させながらチームを作ってきた。

最大の功績は“ネイマール依存症”との決別だろう。

引き続き、ネイマールが重要なピースであることは変わらないが、ネイマールにボールを預けて何とかするというサッカーではない。

5-1で大勝した9月のチュニジア戦に見られた通り、リシャルリソン(トッテナム)、ルーカス・パケタ(ウェストハム)、ラフィーニャ(バルセロナ)などが、ネイマールと絡み多彩な攻撃を仕掛けていた。

さらにビニシウス・ジュニオール、ロドリゴ(ともにレアル・マドリード)、アントニー(マンチェスター・ユナイテッド)、ガブリエル・マルティネッリとガブリエル・ジェズス(ともにアーセナル)など、錚々たるメンバーがおり、ネイマール以外は試合ごとにスタメンが代わってもおかしくないほど、アタッカーが充実している。

ボランチはマンUコンビ

チッチ監督はチーム全体で連動した守備を植え付けてきた。“王様”ネイマールも例外ではなく、高い位置からプレッシャーをかけたり、後ろに戻って守備に参加するプレスバックもこなす。エースの献身的な姿こそが、チッチ監督の求心力を物語る。

守備面で生命線となるのはボランチの2人。カゼミーロとフレッジというマンチェスター・ユナイテッドでのコンビをそのまま「セレソン」でも生かせているのは大きな強みだろう。逆に言えば2人に何かアクシデントがあると、アタッカー陣に比べて心もとなさはある。

過密日程を乗り切っていくためには、ボランチの2人を固定するのはリスクもある。その意味ではここまで南米予選やテストマッチではベンチスタートが多いファビーニョ(リヴァプール)が影のキーマンかもしれない。

全ポジションに実力者が揃う

ディフェンスラインに目を移すと、守備陣の主軸はチアゴ・シウバとマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)だ。対人守備に絶対の自信を持つだけでなく、質の高いビルドアップでもタレント集団をサポートする。センターバックにはガブリエウ・ミリトン(レアル・マドリード)もおり、この3人は誰がスタメンでも、チッチ監督は安心して送り出すだろう。

ミリトンは右サイドバックもこなせるので、相手の左サイドに強力なアタッカーがいる場合は屈強な守備のキスパートを起用することで封じ込めてしまう手もある。6月のブラジル代表戦で三笘薫のドリブルがことごとく止められたのは、日本のファンの記憶に焼き付いているだろう。

オーソドックスに考えればダニーロが右SBの第一人者で、それを大ベテランとなったダニエウ・アウベス(プーマス)が支える。左サイドバックはアレックス・テレス(セビージャ)、アレックス・サンドロ(ユベントス)のどちらが出ても遜色はない。GKはアリソンとエデルソン(マンチェスター・シティ)という世界屈指の2人が揃っている。

ブラジルが最後に優勝したのは2002年の日韓大会。栄光を取り戻すための戦いが始まる。

■ブラジル代表予想フォーメーション(4-2-3-1)

FW

CF:リシャルリソン

MF

右サイドハーフ:ハフィーニャ
トップ下:ネイマール
左サイドハーフ:ヴィニシウス
右ボランチ:カゼミーロ
左ボランチ:フレッジ

DF

右サイドバック:ダニーロ
右センターバック:マルキーニョス
左センターバック:チアゴ・シウバ
左サイドバック:A・テレス

GK

アリソン

文・河治良幸