【FIFA ワールドカップ カタール 2022・グループB】アメリカ1-1ウェールズ(日本時間11月22日/アフメド ビン アリ スタジアム)

偉大なDNAを受け継ぐ男の一撃だった。FIFA ワールドカップ カタール 2022でアメリカが記録した最初のゴールを決めたのはティモシー・ウェア。父親がリベリアの現大統領でかつ元バロンドーラーということで、ファンは「お父さんパワー」と盛り上がった。

【映像】レジェンドすぎるDNAを継承するウェアの先制弾

アメリカに先制点が生まれたのは36分のことだった。相手GKからのロングキックを自陣で回収し、間延びした中央のスペースを活用したアメリカは敵陣に侵入すると、チェルシーでプレーするプリシッチが独走。そして、10番を背負うプリシッチはボックス付近まで攻め込んで、縦方向へラストパス。右から中へと抜け出してこれを受け取ったウェアは、アウトで蹴るシュートで迫り来るGKの脇を抜いて、ゴールネットを揺らしてみせた。

チームの平均年齢が25歳175日と、ガーナに次いで今大会2番目に若いアメリカ。大半がヨーロッパでプレーするチームの中でも、ウェアの経歴は特殊である。アメリカに生まれ育ちながら、PSGのユースからトップへと昇格し、セルティックを経て、現在はフランスのリールでプレーするストライカー。彼の父親は、アフリカ・リベリアの第25代大統領ジョージ・ウェア氏であり、ACミランなどでも活躍した元サッカー選手なのだ。

しかも「リベリアの怪人」と呼ばれた身体能力を武器にプレーした父は、1995年にアフリカ人として初めてバロンドールを受賞するなど、世界的なスター選手だった。

そんなウェアが決めたゴールに、ABEMAの実況・高野純一氏は「レジェンドの遺伝子は生きています」と大興奮。解説・戸田和幸氏も、「相手が間延びした瞬間にあのカウンターを打てることは、アメリカのクオリティが非常に高い」と一連のプレーを賞賛した。

コメント欄でも「綺麗なゴール」「完璧な崩し」「シュートタイミング絶品だな」とアメリカの攻撃を評価する言葉と共に「お父さんパワー」と、ウェアの生い立ちに注目するファンも。レジェンドのDNAが、時を経て世界の祭典でも存在感を示した瞬間だった。

なお、ウェアのゴールで逃げ切るかと思われたアメリカだが、終盤82分にPKを献上。ウェールズの英雄、ベイルにこれを決められて大会初戦を1-1で終えることになった。

(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)