ドイツ代表を率いるハンジ・フリック監督が、翌日に控えたFIFAワールドカップカタール2022・グループE第1節日本代表戦の前日会見に出席した。会見の模様をFIFAの公式サイトが伝えている。
前回大会ではまさかのグループ敗退という憂き目を見たドイツ代表。EURO2020終了後、ヨアヒム・レーヴ前監督からのバトンをフリック監督が引き継いだ。レーヴ前監督が率いていたチームでアシスタントコーチを務めていたフリック監督は、2014年のブラジル大会では“右腕”として優勝を経験したものの、指揮官として臨む初めてのワールドカップとなる。現在のチーム状況について「ここ数日にわたって良いトレーニングができたから、良い形でスタートラインに立つことができた。いよいよ始まるということで、とてもポジティブにこのワールドカップに臨むことができるだろう」と自信を示した。
初戦の対戦相手である日本代表についても言及。「私は日本サッカーのファンであることを伝えなければならないね。技術的にも戦術的にも非常によく訓練されたチームだ」と話した後、ブンデスリーガで躍動する2名の選手を名指しで評価している。
「カマダは素晴らしいシーズンを過ごしているし、エンドウはブンデスリーガで最高のMFの1人だ。難しい仕事になるのは間違いないが、十分な準備をして臨みたい」
ドイツサッカー連盟(DFB)はひざに問題を抱えているレロイ・サネ(バイエルン)が日本代表との一戦を欠場することを発表。フリック監督も「レロイの不在は我々にとって非常に残念で、苦しいこと。彼は試合を決めるクオリティを持っている選手だからね」とサネの欠場を嘆いた。「だけど、日曜日(第2節スペイン代表戦)に出場できる望みはある。彼を起用できるように取り組んでいく」とも話し、次戦で復帰できる可能性も示唆している。
また、ドイツ代表は直近までアントニオ・リュディガー(レアル・マドリード/スペイン)やトーマス・ミュラー(バイエルン)が別メニュー調整となっていたものの、両選手ともに全体トレーニングに合流済みだ。フリック監督は日本代表との一戦に向けたスターティングメンバーについて、「現状、マヌエル・ノイアーとジョシュア・キミッヒがスタメンに入るということは言える」と発言。一方、「ミュラーについては間違いなくオプションだ。今日のトレーニングでも彼はとても良い仕事をしてくれた。我々は彼に満足しているよ。彼はもう1つの選択肢を与えてくれる」とも続けている。
今大会では、カタールにおけるLGBTQや女性への差別といった問題も取り上げられている。この問題に意思表示をすべく、欧州の各チームは多様性を推進する「OneLove」活動を開始。大会ではキャプテンの選手が「OneLove」の腕章を巻く可能性も報道されていた。フリック監督は「FIFAがストップをかけ、ペナルティも科されてしまう。チームは不満とショックを受けている。人権と多様性を示すサインなのだからね」とコメント。「この価値観を具現化したかったのだが、我々はサッカーをするためにここにいる」と続け、他国代表のようにキャプテンマークは巻かないと話した。