幸先よく先制も、追加点が遠い
MATCH 44 グループE 第3節
2022年12月1日22:00キックオフ(会場:アル・バイト・スタジアム)
コスタリカ 2-4 ドイツ
“死の組”と呼ばれた前評判通りの大混戦模様となり、どの国にも決勝トーナメント進出の可能性があるグループE。最終節では、前試合で日本代表を破ったコスタリカ代表と、ここまで未勝利で勝つしかないドイツ代表が相見えた。
コスタリカは、日本戦からスタメンを3名を変更した。それに対して、ドイツはレロイ・サネが今大会初のスタメン入り。さらに、これまでボランチの位置に入っていたジョシュア・キミッヒが右サイドバックとして起用されている。
ドイツボールでキックオフされた試合は、やはりドイツがボールを握り、コスタリカがブロックを敷く展開。ドイツは両サイドバックが非常に高い位置を取り、攻撃に厚みをかけていく。そして、19歳の超新星ジャマル・ムシアラを軸に立ち上がりからいく度となくチャンスを作る。
すると10分、ムシアラが中央でドリブル突破を仕掛け、左サイドに張っていたダビド・ラウムへパス。ラウムはこれをダイレクトで中央へ折り返すと、ニアに走り込んでいたセルジュ・ニャブリが頭で合わせ、ドイツが幸先よく先制に成功した。
その後もサイドからのクロスや個人技によるドリブル突破、ときにはミドルシュートなど、ドイツは多彩な攻撃でコスタリカを翻弄していく。ただ、中央をがっちり固めたコスタリカ守備陣を前に、なかなか追加点を奪えない。
一方のコスタリカも、時間が経つにつれてカウンターから徐々にドイツ陣内へ進入していく回数が増えていく。そんな中で42分、ロングボールからケイセル・フレールが相手のミスをついて裏へ抜け出し、GKと1対1の決定機を迎える。しかし、これはノイアーのファインセーブにより、ゴールとはならない。前半はこのまま終了し、ドイツの1点リードで試合を折り返している。
後半は両チーム死力を尽くした激しい撃ち合い
後半に入ると、負ければ敗退が決まるコスタリカも前がかりとなり、目まぐるしく攻守が切り替わる。すると、コスタリカは58分、スルーパスから深い位置まで進入したフレールがマイナスのボールを折り返す。これをケンダル・ワストンがダイビングヘッドであわせ、一度はGKに阻まれるも、こぼれ球をイェルツィン・テヘダが押し込み、コスタリカが試合を振り出しに戻した。
同点に追いつかれたことで、攻めるしかないドイツ。60分を過ぎてから立て続けに決定機を迎えるが、ムシアラやリュディガーのシュートはポストに阻まれて2点目が遠い。こういった決定機を何度も決めきれないと、ピンチは自ずとやってくるものだ。70分、コスタリカが左サイドで得たセットプレイからゴール前にロングボールを送ると、ワストンが頭で折り返す。混戦から最後はGKノイアーに当たってボールはゴールに吸い込まれ、コスタリカが逆転に成功した。
逆転に成功したコスタリカだが、やはり自力はドイツの方が上。捨身でせめてくるドイツを相手に、GKケイロル・ナバスを中心になんとか耐えようとするが、苦しい時間帯が続く。73分、途中出場していたカイ・ハフェルツが一瞬の隙をついて抜け出し、落ち着いてGKとの1対1を制して同点に。さらに85分、ニャブリのGKとDFの間に通す絶妙な右クロスから再びハフェルツがゴールネットを揺らし、ドイツが逆転した。
その後、アディショナルタイムにニクラス・フュルクルクが勝利を決定づける4点目のゴールをゲット。両チーム死力を尽くしたシーソーゲームはこのまま終了し、ドイツが4-2でコスタリカとの試合を制した。しかし、他会場で行われた日本×スペインで日本が2-1で勝利したため、スペインとの得失点差の関係でドイツの逆転突破はならず、2大会連続の敗退が決まった。また、コスタリカも奮闘虚しく、グループステージで姿を消すこととなっている。
[スコア]
コスタリカ 2-4 ドイツ
[得点者]
コスタリカ
58分 イェルツィン・テヘダ
70分 マヌエル・ノイアー(OG)
ドイツ
10分 セルジュ・ニャブリ
73分 カイ・ハフェルツ
85分 カイ・ハフェルツ
90+1分 ニクラス・フュルクルク
[ポゼッション]
コスタリカ 26% ドイツ 61% 中立 13%
[シュート数]
コスタリカ 8 ドイツ 32
[枠内シュート]
コスタリカ 5 ドイツ 11
[イエローカード]
コスタリカ 1枚
オスカル・ドゥアルテ
[レッドカード]
なし
[ラインナップ]
コスタリカ
フォーメーション:[5-4-1]
監督:ルイス・フェルナンド・スエレス
GK
ケイロル・ナバス(パリ・サンジェルマン/フランス)
DF
フアン パブロ・バルガス(ミジョナリオス/コロンビア)
ケイセル・フレール(エレディアノ)
オスカル・ドゥアルテ(アル・ワフダ・メッカ/サウジアラビア)
ブライアン・オビエド(レアル・ソルトレイク/アメリカ)
ケンダル・ワストン(サプリサ)
MF
セルソ・ボルヘス(アラフエレンセ)
ジョエル・キャンベル(クラブ・レオン/メキシコ)
イェルツィン・テヘダ(エレディアノ)
ブランドン・アギレラ(ノッティンガム・フォレスト/イングランド)
FW
ホアン・ベネガス(アラフエレンセ)
交代出場
46分 ブランドン・アギレラ→ユースティン・サラス(サプリサ)
74分 ホアン・ベネガス→ロナルド・マタリータ(シンシナティ/アメリカ)
74分 ケイセル・フレール→ジェウィソン・ベネット(サンダーランド/イングランド)
90+3分 ブライアン・オビエド→アンソニー・コントレラス(エレディアノ)
90+3分 イェルツィン・テヘダ→ロアン・ウィルソン(グレシア)
ドイツ
フォーメーション:[4-3-3]
監督:ハンジ・フリック
GK
マヌエル・ノイアー(バイエルン)
DF
アントニオ・リュディガー(レアル・マドリード/スペイン)
ダビド・ラウム(ライプツィヒ)
ジョシュア・キミッヒ(バイエルン)
ニクラス・ズーレ(ドルトムント)
MF
レオン・ゴレツカ(バイエルン)
ジャマル・ムシアラ(バイエルン・ミュンヘン)
イルカイ・ギュンドアン(マンチェスター・シティ/イングランド)
FW
セルジュ・ニャブリ(バイエルン)
トーマス・ミュラー(バイエルン)
レロイ・サネ(バイエルン)
交代出場
46分 レオン・ゴレツカ→ルーカス・クロスターマン(RBライプツィヒ)
55分 イルカイ・ギュンドアン→ニクラス・フュルクルク(ブレーメン)
66分 トーマス・ミュラー→カイ・ハフェルツ(チェルシー/イングランド)
66分 ダビド・ラウム→マリオ・ゲッツェ(フランクフルト)
90+3分 ニクラス・ズーレ→マティアス・ギンター(フライブルク)