【FIFA ワールドカップ カタール 2022・グループE】コスタリカ2-4ドイツ(日本時間12月2日/アルバイト スタジアム)
こんなことがあってよいのだろうか。4度のワールドカップ優勝を誇るドイツ代表が、2大会連続でグループステージでの敗退を喫した。その内容も残酷である。最終戦で勝利して勝ち点で2位スペインに並ぶも、得失点差で下回ったのだ。この悲しき逆転勝利に、選手たちはその場で立ち尽くすことしかできなかった。
2018年の前回大会でのグループステージ敗退を受けて、ドイツ代表の選手、スタッフたちは今大会に向けて「覚悟」を持って戦っていただろう。初戦の日本戦でMFギュンドアンがPKを決めて先制するまでは全てが順調に進んでいるかと思われた。
ところが追加点のチャンスを逃し続けると、後半に一瞬の隙を突かれて2失点。日本代表に内容で圧倒をしながらも勝ち点0という結果に終わった。
第2戦のスペイン戦ではワールドカップ決勝かと思わせるハイレベルな戦いを演じ、後半にハンジ・フリックの3枚替えがハマって1-1の引き分けに持ち込んだ。
そして迎えた第3戦コスタリカ戦。前半早々にお決まりの形からゴールを決めると、コスタリカを圧倒した。ところがこの試合でも初戦の日本戦同様追加点のチャンスを逃し続け、後半に逆転を許してしまった。それでも1点ビハインドから3点を奪い返して、4-2の勝利を収めている。
この勝利でドイツ代表は勝ち点を4に伸ばし、同時間帯に行われた日本対スペインで、スペインが負けることさえなければ突破が決まるという状況に持ち込んだ。しかし、結果はドイツ代表の期待を裏切る日本の勝利。これにより2大会連続でのグループステージ敗退が確定した。
試合終了の瞬間、ドイツ代表の選手たちは全てを悟った様子だった。ピッチに座り込む選手、涙する選手…。4-2で勝利したドイツ代表の選手たちに笑顔はなかった。
それでもドイツ代表の選手は勇敢に戦った。ABEMAで解説を務めた中澤佑二氏は「ドイツの良さが随所に出た試合だったと思います。点差は離れましたけど、お互いに勝ちたい強い気持ちが見れたゲームでした。ワールドカップは強い国、強いチームが必ず勝ち上がるとは限らない大会だと改めて感じました」と総括。ABEMA視聴者からも「悲しい勝利」「勝っても絶望」「勝ってこれは異様すぎる」「両チームよくやった」とドイツ代表を称える声が寄せられた。
まさかの2大会連続でのグループステージ敗退という屈辱を味わったドイツ代表。GKノイアーやFWミュラーらベテラン勢は4年後も代表の一員として戦うかどうかは不透明だが、ドイツ代表の未来を担うべき存在であるムシアラやムココ、シュロッターベックら若手選手らは確実に2026年大会に臨むことになるだろう。今大会で良くも悪くも得た「悔しさ」を糧に、ドイツ代表は前へと進む。まずは2年後のEUROでこの雪辱を晴らしたい。
(ABEMA/FIFAワールドカップ カタール 2022)