重要な初戦に挑む
カタール対エクアドルの一戦で開幕したワールドカップ・カタール大会はここまで順調に日程が消化されており、いよいよ日本代表が登場する。
アジア最終予選を通過したサムライブルーはグループEとなり、初戦ドイツ、2戦目コスタリカ、3戦目スペインと戦うことになっている。優勝経験のある2チームがおり、よそから見たグループEの印象は2強2弱だ。
そんな予想を覆すべく日本代表は初戦ドイツ戦に臨む。優勝候補の一角であり、注意すべき点は多い。
攻撃陣でいえばジャマル・ムシアラに仕事をさせたくない。19歳とまだ10代の選手だが、その実力は世界で見てもトップクラスであり、『transfermarkt』が独自に定める市場価値は1億ユーロで、ブンデスリーガではトップ、ドイツ代表としても一番上にいる。
ポジションは基本的に2列目だが、バイエルン・ミュンヘンではボランチとしても起用されている。ドリブル突破を強みとしており、ユリアン・ナーゲルスマン監督はムシアラのボールキャリー能力の高さを生かすべくポジションを一つ下げたのだろう。
次に気を付けるべきは終盤でのパワープレイだ。ドイツ代表はこれまでオーソドックスな9番が不在だったが、今大会ではブレーメンからニクラス・フュルクルクが招集されている。188cmと大柄な選手で、今季ブレーメンでは10ゴール挙げている。ブンデスリーガの得点ランキングでは2位の好成績であり、ドイツ代表の秘密兵器として招集された。先日の親善試合オマーン戦では代表初ゴールを決めるなど勢いのある選手で、吉田麻也や板倉滉、冨安健洋ら日本のCB陣には注意してもらいたい。
ドイツ代表が凄いのは前線だけではない。後方にもタレントを揃えており、今季からレアル・マドリードでプレイするアントニオ・リュディガーは素晴らしい守備者だ。190cmと大柄で、スピードもある。身体能力が高く、プレミアリーグやラ・リーガではドリブルを得意とする選手をこれまでに何人も完封してきた。カバー範囲が広く、大外から三笘薫や伊東純也が抜け出したとしてもリュディガーをかわさなければシュートすら打たせてもらえないだろう。
初戦では最低でも勝ち点1が欲しい日本。攻撃、守備どちらも重要であり、この曲者たちから勝ち点を奪うことはできるのだろうか。