FIFAワールドカップカタール2022・グループF第1節が23日に行われ、ベルギー代表とカナダ代表が対戦した。

 前回2018年のロシアW杯では過去最高成績となる3位入賞を果たしたベルギー代表。当時のチームを牽引したFWエデン・アザール(レアル・マドリード/スペイン)やMFケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・C/イングランド)ら”黄金世代”は未だ健在。3大会連続14度目の出場となる今回のカタールW杯では悲願の世界制覇を目指す。

 一方で、9大会ぶり2度目のW杯出場となるカナダ代表。FWアルフォンソ・デイヴィス(バイエルン/ドイツ)やFWジョナサン・デイヴィッド(リール/フランス)ら、欧州のクラブで活躍するプレーヤーを多く擁する同国代表は、北中米カリブ予選を8勝4分2敗の首位で突破した。前回出場した1986年のメキシコ大会ではグループステージで3戦全敗に終わっため、今大会ではW杯初白星、そして決勝トーナメント進出を目指す。

 序盤に主導権を握ったのはカナダ代表。積極的なプレッシングと左右両サイドからの鋭い仕掛けでベルギー代表ゴールに迫っていく。9分、右CKの流れからボックス内中央でタジョン・ブキャナンが右足を振り抜くと、シュートはヤニック・フェレイラ・カラスコの腕に直撃。オンフィールドレビューの結果、カナダ代表にPKが与えられた。先制の大きなチャンスだったが、A・デイヴィスのキックはベルギー代表GKティボー・クルトワにセーブされた。

 試合を優位に進めるカナダ代表は、12分にリッチー・ラリア、16分にデイヴィッド・ホイレットがボックス内に侵入し惜しいシュートを放つ。対するベルギー代表は20分頃からボールを保持する時間を増やし、カナダ代表のプレスを剥がすシーンを増やしていく。23分には左サイドの敵陣深くでボールをキープしたE・アザールから中央のユーリ・ティーレマンスへと繋ぎ、最後はミシー・バチュアイがボックス内でシュートを放ったが、カマル・ミラーの必死のブロックに阻まれ、枠を捉えることは出来なかった。

 その後もカナダ代表にチャンスを作られていたベルギー代表だったが、前半終了間際に先制に成功する。44分、最終ラインでボールを保持したトビー・アルデルヴァイレルトが相手ディフェンスラインの背後にロングフィードを供給。抜け出したバチュアイが左足のダイレクトシュートをゴール右に蹴り込みネットを揺らした。カナダ代表はその後もサイド攻撃からチャンスを作るもゴールネットを揺らすことは出来ず。前半はこのまま1-0で折り返した。

 後半もカナダ代表が試合の主導権を握るも、ベルギー代表の守備陣を崩しきれず、なかなか決定的なチャンスを作り出すことができない。対するベルギー代表は相手のプレスに苦しみ思うようにボールを前線に運べず。ボールを奪ってからのカウンターも仕掛けるが、カナダ代表の素早いプレスバックに阻まれ、なかなかシュートまで持ち込むことができない。

 流れを変えたいベルギー代表は62分にE・アザールを下げてトロサールを投入。すると、司令塔のデ・ブライネが前を向いてボールをキープする機会が増加し、カナダ陣内でのプレー時間も徐々に増えていく。しかし、カナダ代表も粘り強い守備対応で追加点を許さない。80分には右からのクロスにボックス内で途中出場のラリンがヘディングシュートを放ったが、ボールはGKクルトワに横っ飛びでキャッチされた。

 その後の試合は比較的オープンな展開に。両チームともに相手ゴール前に迫り、シュートを放つシーンを作るが、フィニッシュの精度を欠き、互いにゴールネットを揺らすことができない。結局、試合はこのまま1-0で終了。ベルギー代表はカナダ代表に倍以上のシュートを放たれたものの、先制点を守り抜き、勝ち点「3」を獲得した。

 次節は27日に行われ、ベルギー代表はモロッコ代表と、カナダ代表はクロアチア代表と対戦する。

【スコア】
ベルギー代表 1-0 カナダ代表

【得点者】
1-0 44分 ミシー・バチュアイ(ベルギー代表)

【スタメン】
ベルギー代表(3-4-3)
GK:クルトワ
DF:アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、デンドンケル
MF:ヴィツェル、ティーレマンス(HT オナナ)、カラスコ(HT ムニエ)、カスターニュ
FW:デ・ブライネ、E・アザール(62分 トロサール)、バチュアイ(78分 オペンダ)

カナダ代表(3-4-3)
GK:ボージャン
DF:ジョンストン、ミラー、ヴィトーリア
MF:ユースタキオ(81分 オソリオ)、ホイレット(58分 ラリン)、ハッチンソン(58分 コネ)、ラリア
FW:ブキャナン(81分 ミラー)、A・デイヴィス、J・デイヴィッド

【ゴール動画】バチュアイが豪快な先制弾!