サッカー日本代表は現地時間23日、FIFAワールドカップカタール・グループE第1節でドイツ代表と対戦し、2-1で勝利した。日本代表は先制を許す苦しい展開から、75分、83分にゴールを奪って逆転している。劣勢の状況が続いたが、72分のプレーが試合の流れを変えた。
日本代表は立ち上がりこそ前田大然がゴールネットを揺らしたシーン(判定はオフサイド)があったが、10分を過ぎたころから自陣に押し込められる時間が長くなり、前半はPKによる1失点でなんとか凌いだ格好となった。迎えた後半は3-4-2-1へ布陣を変え、少し流れを引き寄せたものの、相変わらずドイツ代表が押し込む時間が続く。
転機は72分だった。板倉滉がニャブリからボールを奪うと、こぼれ球を拾った遠藤航が2人を次々とかわす。ダブルタッチが大きくなったところをニコ・シュローターベックに奪われそうになったが、遠藤はスライディングでかき出した。これは相手に拾われたが、鎌田大地と堂安律が寄せて引っ掛けると、すぐに起き上がった遠藤が身体を入れて相手のファウルを誘った。
この間、およそ12秒。筋骨隆々のドイツ代表選手に対して、遠藤は全くひるまずデュエルを挑んでいった。ブンデスリーガ2シーズン連続最多デュエル勝利は伊達ではない。選手としては最も疲労が出てくる時間帯だ。8日のリーグ戦で接触した際に脳震とうとなり、この試合にギリギリ間に合ったが、それを感じさせないはつらつとしたプレーを見せた。
個の勝負で負けない姿勢を遠藤が見せたことで、日本代表の攻撃のギアは格段に上がった。その直後には遠藤のロブパスを伊東純也が胸トラップして右足を振り抜く。これはGKマヌエル・ノイアーにセーブされたものの、その2分後に待望の同点弾が生まれた。
堂安の同点ゴールが75分に生まれ、83分には浅野拓磨が逆転ゴールを叩き込んだ。劇的で歴史的な勝利を手繰り寄せたきっかけの1つとして、遠藤の勇気あるプレーを挙げたい。
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