有望株が揃っている

FIFAワールドカップ・カタール大会では台風の目となった日本代表。グループステージではスペイン、ドイツとW杯優勝経験のある2カ国と同組となったが、後半からギアを上げる戦い方で、2勝を掴み取った。

ラウンド16では今大会を3位で終えることになったクロアチアに敗れたが、善戦したといっていいだろう。失点シーンは完璧に崩されたわけではなく、相手を褒めるしかない。

W杯で日本の価値は高まっており、それは『transfermarkt』で分かる。

独自の評価視点で選手の市場価値を定めており、現時点でのトップは鎌田大地の3000万ユーロだ。次に冨安健洋で2500万ユーロに設定されている。

今回のW杯で市場価値を上げたのは、堂安律、板倉滉、三笘薫、浅野拓磨、前田大然、田中碧の6人だ。

堂安は6月の時点で800万ユーロだったが、フライブルクに移籍して1200万ユーロに増額。W杯後の現在は1500万ユーロとこの半年でほぼ倍の数字になっている。堂安はドイツ戦、スペイン戦でゴールを決めており、この上がり幅には納得できる。

板倉はシャルケに在籍していた5月時点では500万ユーロに設定されていたが、今では倍以上の1200万ユーロだ。これはボルシアMGでの活躍も加味されているといえる。夏の移籍市場でステップアップを果たしており、加入直後からスイス代表のニコ・エルヴェディとセンターバックとしてコンビを組んでいた。

三笘は300万ユーロから850万ユーロと約3倍に数字が上がっている。三笘に関してはもっと上がってもいいといえるが、W杯でゴールがなかったことが影響したか。サムライブルーでは後半からピッチに立つジョーカーとして起用されており、その破壊力の高さはドイツやスペインでも制御しきれなかった。所属するブライトンはプレミアで好調を維持しており、このまま活躍が続けば鎌田や冨安と並ぶ市場価値が設定されてもおかしくはない。

浅野はドイツ戦でゴールを決め、市場価値は400万ユーロから500万ユーロに上昇した。が、ドイツ戦の得点シーン以外でパッとする場面はなく、難しいW杯になってしまった。アジア最終予選オーストラリア戦のゴールなど“持っている男”なのは間違いないが、さらに飛躍を遂げる必要がある。

前田の上がり幅はそれほど大きくないが、350万ユーロ、400万ユーロ、500万ユーロと順調に数字を伸ばしている。快足が武器であり、クロアチア戦ではゴールを決めた。まだまだ物足りない点はあるが、対強豪でのセンターフォワードは現状前田が1番手となっている。

最後は田中で、180万ユーロから250万ユーロに増額された。スペイン戦での逆転弾が印象的だったのだろう。日本のボランチは遠藤航と守田英正がずば抜けており、田中は控えというのが現状だ。遠藤と守田との違いは24歳という若さで、ここからの成長に期待だ。

分かりやすくW杯で得点に関わった6人の市場価値が上がっている。最も上がり幅が大きかったのは、450万ユーロアップの板倉だった。怪我でW杯の出場が危ぶまれた選手だったが、大会に間に合わせてきており、素晴らしいパフォーマンスを披露してくれた。冨安は怪我が多く計算ができなかった中で、板倉の復帰は森保一監督にとって助かる選択肢となっただろう。

堂安に板倉、三笘と鎌田の3000万ユーロに近づくことができるポテンシャルを持った選手は多く、シーズン後半戦での活躍に期待だ。