すべての視線はポルトガルの“キング”ロナウドに注がれる

MATCH 15 グループH 第1節 
2022年11月24日19:00キックオフ(会場:スタジアム974)
ポルトガル 3-2 ガーナ


ついにポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが登場だ。このワールドカップ期間中もマンチェスター・ユナイテッドとの契約解除が報じられるなど、ここ最近はロナウドに暗い話題が続いている。

このグループHは様々な観点からロナウドに注目が集まっており、やはりグループの主役だ。

試合は戦前の予想通りポルトガルがボールを支配し、ガーナが守る展開に。ガーナにとってはポルトガルがグループH最強国と考えられているため、ポルトガル戦では守備を固めたところから勝ち点1を拾えればとの思いがあったはずだ。

前半はポルトガルが攻めあぐねる時間が続き、フラストレーションの溜まる展開に。30分にはロナウドが相手DFジクとの競り合いを制してネットを揺らす場面があったが、これもファウルの判定で取り消しとなった。

試合はスコアレスで折り返すことになり、どちらかといえばガーナのプラン通りだったはずだ。ポルトガルは以前より引いた相手を崩すところに課題があり、前半はボールを支配しながらもシュートチャンスが限られていた。

[W杯マッチ15]C・ロナウド、フェリックス、レオンら才能揃い踏み ポルトガルがガーナとの激戦制して白星発進
W杯でもロナウドお馴染みのゴールパフォーマンスが飛び出した photo/Getty Images

ロナウドのゴールから試合は大きく荒れた

このままならスコアレスドローもあり得るかと思われたが、後半に試合を動かしたのはロナウドだった。65分、味方のパスに抜け出したロナウドがペナルティエリアで相手DFに倒されてPKを獲得。これはロナウドも狙っていたはずで、相手が詰めてくるのを待っていたところでPKをゲットした。もちろん蹴るのはロナウド。豪快に蹴り込み、史上初となる5大会連続の得点を記録した。

しかし、ポルトガルはこのリードを守り切れない。勝ち点1を拾うプランが崩れたガーナが反撃に転じ、アヤックスで売出し中のクドゥスを中心に攻撃を展開。強烈なミドルでポルトガルのゴールを脅かしたかと思えば、73分にはペナルティエリア左へ抜け出して中へ折り返す。これに合わせたのはベテランのアイェウで、ガーナもチームを代表するレジェンドFWの一撃で1-1の同点に追いついた。

残り時間を考えるとドロー決着の予感もあったが、今のポルトガルには才能豊かなヤングスターが揃っている。これも強いと評される理由で、ポルトガルはロナウドに負けじと若きアタッカーたちが躍動する。

まずはロナウドと前線でコンビを組んでいたフェリックスだ。78分、中盤でボールを奪ったところからフェルナンデスが前線へパスを送ると、これに抜け出したフェリックスが冷静にGKとの1対1を制して勝ち越し。

さらに80分にはフェルナンデスがドリブルで持ち込み、絶妙なタイミングで左へ振る。ここに走り込んだのは、ミランで圧巻のテクニックを披露しているFWラファエル・レオンだ。得意の角度から冷静に流し込み、3-1とリードを広げることに成功。今後の大会を考えれば、若き才能のフェリックスとレオンにゴールが生まれたのは大きい。

これで試合はポルトガルのペースになると思われたが、ここからアディショナルタイムを含めた19分間でゲームは急展開を迎える。89分にガーナのブカリが追撃のゴールを奪うと、これに焦りを感じたポルトガルが必死に逃げ切るドタバタした展開に。

ガーナ最大のチャンスは試合終了間際だ。ボールをキャッチしたポルトガルのGKコスタが前線へ蹴り出そうとボールを転がすと、それを背後に隠れていたイニャキ・ウィリアムズが猛スピードでコスタの前へ回り込んでボールを奪取。イニャキの頭脳プレイだったが、最後の最後で焦ったのか滑って転倒。慌てて戻ったポルトガル守備陣が何とかクリアし、試合は3-2で終了。ポルトガルは何とか勝ち点3を得ることに成功した。

[W杯マッチ15]C・ロナウド、フェリックス、レオンら才能揃い踏み ポルトガルがガーナとの激戦制して白星発進
終盤にはまさかのピンチを迎えたが、必死に跳ね返したポルトガル守備陣 photo/Getty Images

[スコア]
ポルトガル 3-2 ガーナ

[得点者]
ポルトガル
65分クリスティアーノ・ロナウド(PK)
78分ジョアン・フェリックス
80分ラファエル・レオン

ガーナ

73分アンドレ・アイェウ
89分オスマン・ブカリ

[ポゼッション]
ポルトガル 53% ガーナ 33% 中立 14%

[シュート数]
ポルトガル 11本 ガーナ 8本

[枠内シュート]
ポルトガル 5本  ガーナ 3本

[イエローカード]
ポルトガル2枚
90分+1ダニーロ・ペレイラ
90分+5ブルーノ・フェルナンデス

ガーナ 4枚
45分+1モハメド・クドゥス
49分アンドレ・アイェウ
57分 セイドゥ・アリドゥ
90分+1イニャキ・ウィリアムズ


[ラインナップ]
ポルトガル
フォーメーション:[4-3-3]

監督:フェルナンド・サントス

GK
ディオゴ・コスタ(FCポルト)

DF
ジョアン・カンセロ(マンチェスター・シティ/イングランド)
ルベン・ディアス(マンチェスター・シティ/イングランド)
ダニーロ・ペレイラ(パリ・サンジェルマン/フランス)
ラファエル・ゲレイロ(ドルトムント/ドイツ)

MF
ルベン・ネヴェス(ウォルバーハンプトン/イングランド)
オタヴィオ(FCポルト)
ベルナルド・シウバ(マンチェスター・シティ/イングランド)


FW
ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
ジョアン・フェリックス(アトレティコ・マドリード/スペイン)
クリスティアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)


交代出場
56分オタヴィオ→ウィリアム・カルバーリョ(レアル・ベティス/スペイン)
77分ネヴェス→ラファエル・レオン(ミラン/イタリア)
88分ベルナルド・シウバ→ジョアン・パリーニャ(フラム/イングランド)
88分クリスティアーノ・ロナウド→ゴンサロ・ラモス(ベンフィカ)
88分ジョアン・フェリックス→ジョアン・マリオ(ベンフィカ)

ガーナ
フォーメーション:[3-5-2]

監督:オットー・アッド

GK
ローレンス・アティ(ザンクト・ガレン/スイス)

DF
ダニエル・アマーティ(レスター・シティ/イングランド)
アレクサンデル・ジク(ストラスブール/フランス)
モハメド・サリス(サウサンプトン/イングランド)

MF
セイドゥ・アリドゥ(クレルモン/フランス)
サリス・アブドゥル・サメド(RCランス/フランス
トーマス・パルティ(アーセナル/イングランド)
モハメド・クドゥス(アヤックス/オランダ)
アブドゥル・ラーマン・ババ(レディング/イングランド)

FW
イニャキ・ウィリアムズ(アスレチック・ビルバオ/スペイン)
アンドレ・アイェウ(アル・サッド/カタール)

交代出場
66分アリドゥ→タリック・ランプティ(ブライトン/イングランド)
77分アンドレ・アイェウ→ジョルダン・アイェウ(クリスタル・パレス/イングランド)
77分クドゥス→オスマン・ブカリ(レッドスター・ベオグラード/セルビア)
90分+2サメド→ダニエル・コフィ・チェレ(フライブルク/ドイツ)
90分+2ジク→アントワーヌ・セメンヨ(ブリストル・シティ/イングランド)