まさに千両役者だった。現地時間11月24日のガーナ戦(カタールW杯・グループH第1節)におけるポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドだ。
 
 マンチェスター・ユナイテッドと軋轢を抱え、ガーナ戦の2日前に契約解除。37歳のスーパースターは、まさかの「無所属」で自身5度目のW杯に臨んだ。
 
 それでも、“らしさ”はしっかりと出した。31分のゴールこそファウル判定で取り消しになり、42分の決定機も相手にブロック。しかし64分、ペナルティーエリア内で斜めに動きながらPKを奪取する。これをきっちり決めてポルトガルに先制点をもたらすと、お得意の「Siiiiii !」ポーズ。会場に詰めかけたファンも大きな声でこれに呼応した。
 
 異なる5大会でのゴールはW杯史上初。2006年大会からの5大会連続ゴールももちろん新レコードだ。クラブレベルでも代表レベルでもあらゆる記録を塗り替えた男が、またしても新しい勲章を手にした。
 
 88分にベンチに下がると、長いアディショナルタイム中はベンチでチームを鼓舞。試合は3―2のポルトガル勝利で終わり、C・ロナウドがMOMを受賞した。
 
 37歳になっても、無所属になっても、らしい仕事を完遂して誰よりも目立つ。C・ロナウドはやはり世紀のスーパースターだ。
 
取材・文●白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)

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