オランダが電光石火の先制点
MATCH 19 グループA 第2節
2022年11月25日19:00キックオフ(会場:ハリーファ・インターナショナル・スタジアム)
オランダ 1-1 エクアドル
グループA・第2節で、初戦をともに2-0の白星発進を決めたオランダ代表とエクアドル代表が激突。一足先に行われたカタール×エクアドルで、エクアドルが3-1の勝利を収めたため、この試合でオランダが勝利を収めれば決勝トーナメント一番乗りが決まる。なお、この重要な一戦でオランダ代表はスタメンを3枚、一方のエクアドルは1枚変更して臨んでいる。
エクアドルボールでキックオフされた試合は、お互いにしっかりとブロックを敷くことで、落ち着いた入りを見せるかに思われたが、すぐさまスコアが動く。6分、オランダはバイタルエリアへ通した鋭い縦パスから一度は相手にボールを奪われかけるも、すぐさまダフィ・クラーセンが奪い返し、コーディ・ガクポへパスを繋ぐ。すると、ボールを受けたガグポがペナルティアーク左から左足一閃。強烈なシュートをゴール左に叩き込み、オランダが先制点を奪った。
あまりにも早い得点だったため、激しい撃ち合いになってもおかしくない展開だ。しかし、やはりW杯は1試合の重みが普段の試合とは異なるか。オランダがイケイケムードで一気に攻め込むわけでもなく、エクアドルも慌てて反撃に出るわけでもなく、両チームともにしっかりパスを繋ぎ、一旦試合を落ち着かせる選択肢を選ぶ。特にオランダは先制点後は守備を徹底したこともあってか、前半のシュートはゴールのわずか1本だった。
ただ、1点ビハインドのエクアドルにとって、このままでいいわけがない。25分過ぎから徐々にギアを上げていくと、左サイドを起点にオランダのゴール前へ攻め込むシーンが増えていく。そして前半アディショナルタイム、こぼれ球に反応したアンジェロ・プレシアードのミドルシュートをゴール前にいたペルピス・エストゥピニャンがうまくコースを変え、エクアドルもついにゴールネットを揺らす。しかし、これはオフサイドポジションにいたジャクソン・ポロソがGKのブラインドになっていたのか、ボールに関与したとみなされ、ゴールは認められない。オランダの1点リードでハーフタイムを迎えている。
オランダを圧倒も勝ち越しゴールが遠い
後半に入ってもエクアドルはギアを緩めず、立ち上がりから攻勢に出る。すると49分、前線からの積極的なボールチェイスから相手のミスを誘発。ショートカウンターからエストゥピニャンはシュートを放つと、GKが弾いたこぼれ球をバレンシアが押し込み、試合を振り出しに戻した、
中日が1日多かった影響もあるのか、その後も出足が素晴らしいエクアドルが動きの重いオランダを攻め立てる。オランダはボール支配率こそエクアドルを大きく上回るも、なかなか中盤から前にボールを運ぶことができず、攻めあぐねるシーンが目立つ。後半の頭から投入されたエースのメンフィス・デパイもまだまだ本調子ではないのか、ボールをなかなか収められず、攻撃の決め手がない。
ただ、百戦錬磨のCBフィルジル・ファン・ダイクを中心にオランダの粘り強い守備は健在で、同点ゴール以降はゴールを割らせず。なんとか1-1で試合終了のホイッスルを迎え、勝ち点「1」ずつを分けあった。
この試合で決勝トーナメント進出を決めることができなかったオランダ。攻撃面に関して不安を残しながら最終節カタール戦を迎える。2連敗でグループリーグ敗退が決まった相手といえども、カタールにも開催国の意地がある。決して簡単な試合にはならないかもしれない。
一方、オランダを終始圧倒したエクアドル。ハードワークやインテンシティの高さでその力を示したが、こちらも不安材料がないわけではない。これだけ圧倒しながらも勝ち越しゴールが奪えなかったこと、ここまで3ゴールと好調なエースのバレンシアが負傷交代を余儀なくされてしまったこと。最終節セネガル戦では引き分け以上でグループリーグ突破が決まるため、貴重な1ポイントであったには変わりないが、相手はアフリカ屈指のタレント軍団ということもあり、できればきっちりオランダに勝って勢いに乗りたかったところだ。グループAの行方はいかに。
[スコア]
オランダ 1-1 エクアドル
[得点者]
オランダ
6分 コーディ・ガクポ
エクアドル
49分 エネル・バレンシア
[ポゼッション]
オランダ 46% エクアドル 36% 中立 18%
[シュート数]
オランダ 2本 エクアドル 14本
[枠内シュート]
オランダ 1本 エクアドル 4本
[イエローカード]
エクアドル 1枚
ジェクソン・メンデス
[ラインナップ]
オランダ
フォーメーション:[3–5-2]
監督:ルイ・ファン・ハール
GK
アンドリエス・ノペルト(ヘーレンフェーン)
DF
ユリエン・ティンバー(アヤックス)
フィルジル・ファン・ダイク(リヴァプール/イングランド)
ナタン・アケ(マンチェスター・C/イングランド)
MF
ダフィ・クラーセン(アヤックス)
ダレイ・ブリント(アヤックス)
トゥーン・コープマイネルス(アタランタ/イタリア)
フレンキー・デ・ヨング(バルセロナ/スペイン)
デンゼル・ダンフリース(インテル/イタリア)
FW
ステフェン・ベルフワイン(アヤックス)
コーディ・ガクポ(PSV)
交代出場
46分 ベルフワイン→メンフィス・デパイ(バルセロナ/スペイン)
69分 クラーセン→ステフェン・ベルフハイス(アヤックス)
79分 ガクポ→ボウト・ベグホルスト(ベジクタシュ/トルコ)
79分 コープマイネルス→マルテン・デ・ローン(アタランタ/イタリア)
エクアドル
フォーメーション:[3-4-3]
監督:グスタボ・アルファロ
GK
エルナン・ガリンデス(SDアウカス)
DF
フェリックス・トーレス(サントス・ラグナ/メキシコ)
ピエロ・インカピエ(レヴァークーゼン/ドイツ)
ジャクソン・ポロソ(トロワ/フランス)
MF
ペルピス・エストゥピニャン(ブライトン/イングランド)
アンジェロ・プレシアード(ヘンク/ベルギー)
ジェクソン・メンデス(ロサンゼルスFC/アメリカ)
モイセス・カイセド(ブライトン/イングランド)
FW
マイケル・エストラーダ(クルス・アスル/メキシコ)
エネル・バレンシア(フェネルバフチェ/トルコ)
ゴンサロ・プラタ(バジャドリー/スペイン)
交代出場
74分 エストラーダ→ ジェレミー・サルミエント(ブライトン/イングランド)
90分 プラタ→ロマリオ・イバーラ(パチューカ/メキシコ)
90分 バレンシア→ケビン・ロドリゲス(インバブラ)