歴史的勝利も27日のコスタリカ戦へ「チームとして完全に切り替わっている」

 試合前、「今のドイツ代表より、バイエルンのほうが確実に強い」と言い、ドイツ撃破に自信を見せていたDF板倉滉(ボルシアMG)は、有言実行となる2-1の勝利のあと、「やっぱり上手かったですね」と、ピッチで感じた肌感覚を語った。

「個人個人のクオリティーが高くて、いろんな攻撃パターンを持っていて、ディフェンスをしていても気が抜けないと思いながらやっていました。ただ、相手の良さを潰していく意味では、できた部分もたくさんありましたし、個人個人で負けていなかったところも、たくさんあったと思う。これを基準にやっていかないといけない」と、世界最高峰の大会の初戦で本気の相手と渡り合って感じられたことを口にした。

 守備でドイツのアタッカーとも渡り合った板倉は、ロングパスでFW浅野拓磨(ボーフム)の決勝点もアシスト。「攻撃の選手にいいパスを出すことは、いつも意識している」と板倉は言い、ドイツ戦でも狙っていたことを明かす。

「前半はなかなか自分たちのボール保持の時間が少ないなか、ただカウンターで1本いいパスが入るとチャンスになっている場面も多かった。そこをハーフタイムで修正して、後半はシステム変更もあり、逆に自分たちがボールを保持できる時間帯、前向きで余裕を持ってボールを持てる時間も増えた。僕としてもそこは良いパスを前線の選手に預けたいと思ってやっていました」

 この先の戦いのなかでも、特に第3節のスペイン戦では、日本が押し込まれる展開になることは容易に予想できる。「うしろからの組み立てはすごく大事だし、うしろが余裕を持ってできることで前の選手も動きやすいと思うので、そこは意識したい」と、引き続き攻撃に絡んでいく意欲も見せている。

 歴史に残る勝利を挙げた日本だが、中3日で次の試合が来るなか「チームとして完全に切り替わっている」と板倉は言う。

「ドイツを倒した後は嬉しかったですし、勢いがついたなというのはありましたが、コスタリカ戦に向けてみんなで確認し合っていますし、完全に切り替わっています。コスタリカは違った相手になってくる。戦い方も変わってくるが、個々でいい選手が多く、いい攻撃陣がいる。まずはDF陣としてはそこを抑えないといけない」と、自身の果たすべき役割を語った。

 コスタリカに勝てば、初となる2大会連続での決勝トーナメント進出が決まる可能性のある日本。ドイツを破って自信を付けたチームが、コスタリカ相手に地に足を付けた戦いを見せられるかは大きなポイントとなりそうだ。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)