11月27日、日本代表はカタール・ワールドカップのグループリーグ第2戦、コスタリカ戦に臨む。

 初戦でドイツに2-1で逆転勝利を挙げた日本と、スペインに0-7で大敗したコスタリカ。チーム状況は大きく異なるが、一瞬の隙が大きな落とし穴になるのがワールドカップある。

 長友佑都も「一番大事なのは勝ったからと言って油断せずに、気を引き締めること。次に負けてしまうと意味がないというか。もう一回引き締めてやりたい」とチームに呼びかけた。

 森保一監督はメンバーに関しては前日会見で「1試合目の疲労を考えて決めていきたいです。試合前の発表を楽しみにしてもらえればと思います」を含みを持たせたが、中3日での連戦を考えれば、ターンオーバーを取り入れることは確実だろう。

 さらに鎌田大地は「自分たちである程度ボールを持てると思いますし、引かれた相手に対しても、今の日本は足もとのある選手が多いので、上手くやっていきたいです」との見解を示している。

 コスタリカは元々、守護神ケイラ―・ナバスを中心とした粘り強いディフェンスが売りのチーム。そういう意味では、よりポゼッションで力を発揮できる選手、且つ、ドイツ戦に出番がなく試合に飢えている選手らがメインに起用されるのではないか。

 ちなみに左太ももを痛めている酒井宏樹、右太ももに違和感を抱いている冨安健洋はコスタリカ戦に向けた3日間の練習はすべて別メニュー調整。酒井は「大会期間中にしっかり戻ってこられるようにしたいです」と話し、冨安は「ドイツ戦も正直、入ってすぐ違和感を感じる中でやっていた」と明かしており、ふたりのコスタリカ戦の出場は厳しい状況と言わざるを得ない。
 
 そのなかで守護神はドイツ戦で好セーブが光った権田修一だろう。最終ラインの右は長友を回す手も考えられるが、気合十分の山根視来に期待したい。一列前の堂安律と守備のバランスも調整している様子だ。

 CBは「チャンスを得られるか分かりませんが、いつ出ても良い準備をしています」を自信を覗かせる谷口彰悟の起用を考えつつ、相棒は板倉滉の線もあるが、谷口、山根がワールドカップデビューを飾った場合には、やはり経験豊富な吉田麻也が必要になりそうだ。

 その点は左SBも同様で伊藤洋輝も候補だが、最終ラインを安定させる意味では長友がベターか。もっとも長友が先発した場合でも、早めの時間での伊藤との交代策が予想される。
 ボランチは、左ふくらはぎの違和感で出遅れるも、準備は整ったことを強調している守田英正の言葉を信じつつ、ボールを握れるとなれば柴崎岳とのコンビか。

 2列目はタレント豊富なだけに予想が難しいが、ドイツ戦でゴールを奪い勢いに乗る堂安律を生かさない手はないだろう。トップ下は南野拓実と久保建英が候補も、経験値を含めれば前者になるか。

 左も三笘薫と好調の相馬勇紀が揃い甲乙つけがたい。ともに先発でもジョーカーでも働けるだけに、試合展開によって使い分けることも可能だろう。
 
 CFはフィニッシャー役として注目したい上田綺世か。コスタリカは勝利が必要な状況で、どこかのタイミングで前に出てくるはず。日本はその動きを逆手に取って攻撃を構築したいところ。チャンスをきっちりモノにできれば、試合を優位に進められるはずだ。

 谷口、山根、上田、守田、相馬らはピッチに立てば嬉しいワールドカップデビューを果たす。彼らの奮起に期待しつつ、経験者たちとの絡みに注目したい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト特派)

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