【試合展望】ストイコビッチ監督率いるセルビアはカメルーン相手に今大会初勝利を狙う

 カタール・ワールドカップ(W杯)の大会9日目は、グループステージ第2戦が全ての組で終了する日になる。グループGではFWネイマールの負傷離脱が発表されたブラジル代表が、前回ロシアW杯では引き分けに持ち込まれたスイス代表と対戦。ドラガン・ストイコビッチ監督率いるセルビア代表はカメルーン代表を相手に勝利を狙う。グループHでは韓国代表がガーナ代表と戦う裏で、ポルトガル代表とウルグアイ代表の強豪対決が行われる。

■カメルーン×セルビア
グループG第2戦
キックオフ:現地時間11月28日13時(日本時間28日19時)
放送・配信:フジテレビ系、ABEMA
注目選手:FWエリック・シュポモティング(カメルーン)、FWアレクサンダル・ミトロビッチ(セルビア)

 初戦でスイスに敗れてW杯本大会での連敗が8に伸びてしまったカメルーンだが、そうした結果は別に突破を考えれば同じく初戦敗戦のセルビアには勝利しなければならない。個々の身体能力の高さは折り紙付きだが、どこかナイーブな戦いを見せる“不屈のライオン”が勝利を得るためには、欧州の名門を渡り歩くエースのFWエリック・シュポモティングがチームに自信を与えるゴールを奪うことが必要だろう。

 名古屋グランパスの選手や監督として日本でもなじみ深い“ピクシー”ことドラガン・ストイコビッチ監督が率いるセルビアは、初戦で強豪ブラジルに敗戦。ある程度は想定内の結果だったはずで、ここからが本番という心づもりだろう。優秀なストライカーを次々に排出する旧ユーゴ圏の国々だが、セルビア代表の歴代最多ゴール記録を持っているミトロビッチは大エース。チームに勝ち点3をもたらすゴールが期待される。

■韓国×ガーナ
グループH第2戦
キックオフ:現地時間11月28日16時(日本時間28日22時)
放送・配信 NHK、、ABEMA
注目選手:FWファン・ウィジョ(韓国)、MF モハメド・クドゥス(ガーナ)

 初戦で南米の武闘派集団ウルグアイから引き分けをもぎ取った韓国だが、エースのFWソン・フンミンは左目付近の骨折から手術で患部を安定させ、さらにフェイスガード着用での出場。ウルグアイ戦でも決してコンディションが良さそうなプレーではなかった。その状況では、ガンバ大阪でもプレー経験のあるFWファン・ウィジョが得点源として期待される。ウルグアイ戦でも決めておかしくないチャンスに顔は出せていただけに、次はゴールを奪いたい。

 ガーナは初戦でポルトガルを相手に追いすがったものの接戦で敗れたため、生き残りのためには絶対に勝利が必要な試合となる。攻撃陣でベテランFWアンドレ・アイェウはポルトガル戦でゴールするなど健在。アーセナルのMFトーマス・パーティも実力者だが、オランダの名門アヤックスでプレーするMFモハメド・クドゥスがポテンシャルを発揮するかどうかも楽しみなところ。アフリカ勢の苦戦が目立つ今大会だが、ここが踏ん張りどころだ。

■ブラジル×スイス
グループE第2戦
キックオフ:現地時間11月28日19時(日本時間29日1時)
放送・配信:フジテレビ系、ABEMA
注目選手:FWリシャルリソン(ブラジル)、ヤン・ゾマー(スイス)

 初戦で想像以上の仕上がり具合を見せたブラジルだが、FWネイマールが負傷交代して数試合は欠場見込み。エースに次のチャンスを与えるためにも順調に勝利を重ねたい。初戦のセルビア戦で2ゴールのリシャルリソンは、チームの仕上がり具合からもフランス代表のFWオリビエ・ジルーやFWキリアン・ムバッペと並ぶ得点王候補。守備の固さは欧州勢の中でもトップクラスのスイスが相手だが、ゴール前の勝負強さに注目したい。

 欧州予選でイタリアを抑えて出場のスイスは初戦でカメルーンに勝利。ブラジル戦は前回のロシアW杯で引き分けに持ち込んだ実績があり、同じ結果を出せればグループ突破に向けて大きな結果になるだろう。とはいえ、そうした好結果を出そうと思えばPK職人としても知られる守護神のGKヤン・ゾマーが何本かはファインセーブを見せる必要があるだろう。各ポジションに欧州5大リーグの中堅から上位クラブでプレーする選手が並び、その実力は低くない。

■ポルトガル×ウルグアイ
グループH第2戦
キックオフ:現地時間11月28日22時(日本時間29日4時)
放送・配信:ABEMA
注目選手:FWアンドレ・シウバ(ポルトガル)、MFフェデリコ・バルベルデ(ウルグアイ)

 長年にわたってポルトガルをけん引するエースのFWクリスティアーノ・ロナウドは初戦のガーナ戦でもPKを決め史上初のW杯5大会連続ゴールを記録したが、20代のアタッカーたちも台頭している。得点源として期待されるFWアンドレ・シウバやFWジョアン・フェリックス、FWラファエル・レオンといった選手たちには“アフター・ロナウド”を印象付ける大会にすることも期待される。ウルグアイとの決戦は決勝トーナメント進出を見据えても重要だ。

 ウルグアイもFWルイス・スアレスやFWエディンソン・カバーニといった2010年南アフリカW杯の3位を知るベテランから次世代へのリレーが必要なチーム。初戦でポスト直撃弾を放ったレアル・マドリードのMFフェデリコ・バルベルデや、リバプールのFWダルウィン・ヌニェスには主役級の活躍が期待される。テクニカルなポルトガルに対し、DFディエゴ・ゴディンとDFホセ・ヒメネスの強力センターバックが鎮座する伝統の堅守を見せつつ、したたかな一撃を狙いたいところだ。

グループG上位のブラジルとスイスは得失点差も今後の鍵に、グループHガーナは背水の陣

■グループG
1位 ブラジル 勝ち点3(得失点差+2)
2位 スイス 勝ち点3(得失点差+1)
3位 カメルーン 勝ち点0(得失点差-1)
4位 セルビア 勝ち点0(得失点差-2)

 ブラジルはスイスに勝利した場合はセルビアの勝利または引き分けで決勝トーナメント進出が決まる。特に全体の大会日程が短くなる後半グループだけに、優勝を見据えるなら第3戦でのターンオーバーを行いたいところだ。セルビアは最終戦がスイスとの対戦だけにカメルーンに勝利するだけでなく、できればスイスを得失点差で上回った状態にしたいだろう。当然、同じことはスイスにも言える。

■グループH
1位 ポルトガル 勝ち点3(得失点差+1)
2位 ウルグアイ 勝ち点1(得失点差0)
2位 韓国 勝ち点1(得失点差0)
4位 ガーナ 勝ち点0(得失点差-1)

 ポルトガルがやや優位に立った状況だが、ウルグアイとの強豪対決に敗れれば最終戦で韓国とプレッシャーの掛かるゲームが待つことになる。ウルグアイも引き分け以下では難しい状況になる可能性があり、決勝トーナメント進出を見据えたバチバチの好勝負が期待される。韓国としてはガーナから勝ち点3を取れれば突破へ向けて道が大きく開ける。ガーナは敗れると敗退が決まるだけに、背水の陣で韓国戦に臨むことになった。(FOOTBALL ZONE編集部)