第3節ではどのようなドラマが待っているのか

カタール対エクアドルで始まったこのFIFAワールドカップ・カタール大会はグループステージ第2節を終え、いよいよ第3節がスタートすることになる。

『グループA』
第2節では開催国カタールのグループステージ敗退が決まってしまった。セネガル戦でW杯初ゴールをムハンマド・ムーンターリーが決めたが、前半に1失点、後半に2失点の計3失点を許し1-3と敗れることに。第3節は対オランダであり、爪痕を残したい。

2位エクアドルと3位セネガルは決勝トーナメント進出の可能性がある2チームだ。第3節は直接対決が予定されており、どちらが次のステージに駒を進めるのだろうか。

『グループB』
第2節で早くも突破を決めるかと思われたイングランドはアメリカ相手にまさかのスコアレスドローで終える展開に。6ゴール挙げた初戦とは打って変わって攻撃陣が沈黙しており、その分批判も多かった。第3節ではアメリカ戦で起用されなかったフィル・フォーデンの起用が期待されている。

初戦で大敗したイランは気持ち切り替えウェールズ相手に2ゴール挙げて今大会初白星を獲得した。現時点でイングランドに次ぐ2位であり、決勝トーナメント進出の可能性がある。

『グループC』
第1節で起きたような波乱は第2節では起きず、アルゼンチンがメキシコを、ポーランドがサウジアラビアを順当に下した。リオネル・メッシはチームを救うスーパーゴールを決めており、35歳と若くないがまだまだトップクラスのタレントとして君臨している。初戦大金星挙げたサウジアラビアは初戦で得た勝ち点3が次のステージに進む可能性を大きく引き上げており、現在最下位のメキシコを打ち破ることができるのだろうか。

『グループD』
優勝候補大本命のフランスは2-1でデンマークを破り、決勝トーナメント進出を早くも決めた。キリアン・ムバッペが2ゴールとカリム・ベンゼマが不在の中で存在感を示しており、次のエースとしての風格は十分だ。またベンゼマは負傷で今回のメンバーから外れたが、順調に回復しており、今後フランス代表に加わる可能性があるようだ。起用は指揮官であるディディエ・デシャン次第だが、大きな援軍になることは間違いない。

その裏のカードではオーストラリアがチュニジアを0-1で下した。オーストラリアは初戦でフランスに大敗を喫したが、2戦目で粘り強く勝ち点3を掴んだ。ゴールを決めたのはJ2のファジアーノ岡山でプレイするミッチェル・デュークであり、世界に岡山の名前を知らしめている。

『グループE』
初戦でドイツを破り大金星を挙げた日本は続くコスタリカ戦でまさかの黒星。初戦で得たアドバンテージを生かすことができなかった。引くコスタリカを崩すことができず、アジア最終予選で露呈していた問題にW杯でも躓くことになった。

スペイン対ドイツは今大会屈指の好カードであり、結果は1-1の痛み分け。アルバロ・モラタ、ニクラス・フュルクルクと互いのストライカーが共に1ゴールずつ挙げた。

グループEは全チームの突破の可能性が残されているグループとなっており、まだまだ分からない。ただ順当にいけばスペインとドイツが決勝トーナメント進出であり、日本はどうスペインに抗うのか。

『グループF』
グループFは予想されていた波乱が起きてしまった。ベルギーがモロッコに敗れたのである。モロッコは2試合連続でクリーンシートを達成しており、堅守が強みとなっている。ベルギー戦ではセットプレイから2回ゴールネットを揺らし(一度は取り消し)、攻撃面でも怖さを見せた。

ベルギーは初戦で勝ち点3を得ており、次のクロアチア戦で勝てれば問題ないが、クロアチアに勝てるのか。クロアチアは初戦こそ0-0と得点力不足を露呈したが、2試合目では4ゴールと一気に得点が決まった。アンドレイ・クラマリッチが2ゴール挙げており、好調ストライカーがベルギーに襲い掛かる。

『グループG』
フランスと同じく優勝候補大本命のブラジルはスイスに1-0で勝利し、決勝トーナメント進出を決めた。負傷したネイマールは不在だったが、スイスを攻め立てカゼミロのスーパーゴールで勝利。守備面でもスイスを上回っており、フルタイムで枠内シュートを打たせていない。

カメルーンは攻撃陣にタレント揃えるセルビア相手に3-3の打ち合いを演じた。しかし第3節の相手がブラジルというのは厳しいところであり、スイスが次のステージに進むことになるか。
『グループH』
初戦でガーナ相手に2失点と守備面で不安要素抱えていたポルトガルだが、続くウルグアイ戦では2-0とクリーンシートで勝ち点3を得た。フランス、ブラジルに続く決勝トーナメント進出であり、今大会はどこまで進むのか。

初戦ウルグアイに引き分けた韓国は2-3とガーナと打ち合いを演じ、敗れることに。ビハインドから追いつける力は持っているが、次のポルトガルは相手が悪い。

第2節終了時で早くもフランス、ブラジル、ポルトガルの3カ国が次のステージ進出を決めた。この中でもフランスとブラジルは頭一つ抜けており、決勝トーナメントで対戦することがあればスペイン対ドイツに並ぶ今大会屈指の好カードになるだろう。

第1節で躍進したアジア勢の第2節は苦しいものとなった。共に大金星挙げたサウジアラビアと日本は敗れ、韓国のガーナに力負け。日本とサウジアラビアは決勝トーナメント進出を決めることができなかった。ただ初戦で敗れたイランとオーストラリアは勝利しており、アジア勢の勢いは止まったわけではない。第3節はオーストラリアがデンマーク、日本がスペイン、韓国はポルトガル、と強敵相手に勝ち点3を挙げる必要があるが、再び大金星を掴んでアジア勢の強さを見せたい。