前半はセネガルが主導権を握る

MATCH 35 グループA 第3節 
2022年11月29日 18:00キックオフ(ハリーファ・インターナショナル・スタジアム)
エクアドル 1-2 セネガル

グループA・最終節で、ここまで1勝1分(勝ち点「4」)のエクアドル代表と、1勝1敗(勝ち点「3」)のセネガル代表が対戦した。

ともに勝てば問答無用でグループリーグ突破が決まる一戦だけに、スタートから激しい展開が予想される。なお、エクアドルは引き分け以上で自力突破が決定。前試合で負傷交代していた絶対的なエースで、ここまで3ゴールと絶好調なエネル・バレンシアも無事スタメン入りを果たしており、状況ではエクアドルがやや有利だ。ただ、セネガルもここまでの2試合、内容的には素晴らしい試合を披露しており、最後まで何が起こるかわからない。

エクアドルボールでキックオフされた試合は、両チームともに立ち上がりから相手に自由にやらせまいと、激しいプレッシャーをかけに行く。そんな中、セネガルが左サイドを起点に3分、8分と立て続けにチャンスを作る。このシュートはいずれも枠を捉えることはできなかったが、試合の主導権を握るには十分なスタートだった。

その後も、勝たなければ決勝トーナメント進出が非常に厳しいこともあり、手を緩めず積極的に攻撃を仕掛るセネガル。サイドを起点に相手陣内へ攻め込むが、エクアドルのコンパクトで粘り強い守備を前に、なかなか均衡を破れない時間が続いた。しかし42分、この試合でドリブル突破などからいく度となく好プレイを披露していたイスマイラ・サールが素早いリスタートから裏へ抜け出した際、ペナルティエリア内で倒されてPKをゲット。これをサール自ら落ち着いてゴールに沈め、セネガルが先制に成功した。前半はこのまま終了し、セネガルがリードして試合を折り返している。

[W杯マッチ35]エース不在もアフリカ王者が意地を見せた セネガル、逆転で20年ぶりの16強進出
代表初ゴールが、チームを決勝Tへ導く決勝弾となったクリバリ photo/Getty Images

主将の代表初ゴールが決勝弾に

前半はエースのバレンシアを中心に攻撃の糸口を見つけようとするも、セネガルの激しいプレスや圧倒的な空中戦を前に、なかなか前へボールを運ぶことができなかったエクアドル。追いかける展開となったことで、ハーフタイムに2枚替えを敢行。後半の頭から勝負を仕掛けていく。

すると、後半の立ち上がりは一転してエクアドルペースに。ロングボールだけでなく、細かいパスワークも駆使し、ゴールを狙いにいく。すると67分、右CKからニアでフェリックス・トーレスがボールをそらすと、ファーサイドへ走り込んでいたモイセス・カイセドが押し込み、試合を振り出しに戻した。

これで再びエクアドルが優位な立場となったが、同点に追いつかれたことで、後半は守勢に回っていたセネガルのスイッチも再び入る。失点直後の70分、右サイドで得たセットプレイのこぼれ球にキャプテンのカリドゥ・クリバリが反応。この大舞台で代表では自身初となるゴールを決め、あっという間にエクアドルを突き放して見せたのだ。

1-2となって以降は、一進一退の攻防を見せる両チームだが、追加点を奪うまでには至らない。終盤のエクアドルのパワープレイをきっちり抑えたセネガルが逃げ切り、逆転で日韓大会以来20年ぶりのグループリーグ突破を決めている。サディオ・マネが大会直前に欠場が決まり、エースの不在の中の戦いではあったが、意地を見せたアフリカ王者。泣く泣く欠場を余儀なくされたエースの分まで、決勝トーナメントでの飛躍を期待したい。一方、エクアドルは他会場で行われた試合でオランダが勝利を収めたため、グループリーグ敗退が決まった。

[W杯マッチ35]エース不在もアフリカ王者が意地を見せた セネガル、逆転で20年ぶりの16強進出
20年ぶりとなるGL突破の喜びをサポーターと一緒に分かち合う photo/Getty Images

[スコア]
エクアドル 1-2 セネガル

[得点者]
エクアドル
67分 モイセス・カイセド

セネガル
44分 イスマイラ・サール
70分 カリドゥ・クリバリ

[ポゼッション]
エクアドル 46% セネガル 32% 中立 22%

[シュート数]
エクアドル 8 セネガル 15

[枠内シュート]
エクアドル 4 セネガル 6

[イエローカード]
セネガル 1枚
イドリッサ・ガナ・ゲイェ

[レッドカード]
なし

[ラインナップ]
エクアドル
フォーメーション:[4-3-3]

監督:グスタボ・アルファロ

GK
エルナン・ガリンデス(SDアウカス)

DF
フェリックス・トーレス(サントス・ラグナ/メキシコ)
ピエロ・インカピエ(レヴァークーゼン/ドイツ)
ペルピス・エストゥピニャン(ブライトン/イングランド)
アンジェロ・プレシアード(ヘンク/ベルギー)

MF
カルロス・グルエソ(アウクスブルク/ドイツ)
アラン・フランコ(タジェレス/アルゼンチン)
モイセス・カイセド(ブライトン/イングランド)

FW
マイケル・エストラーダ(クルス・アスル/メキシコ)
エネル・バレンシア(フェネルバフチェ/トルコ)
ゴンサロ・プラタ(バジャドリー/スペイン)

交代出場
46分 カルロス・グルエソ→ホセ・シフエンテス(ロサンゼルスFC/アメリカ)
46分 アラン・フランコ→ジェレミー・サルミエント(ブライトン/イングランド)
64分 マイケル・エストラーダ→ジョルカエフ・レアスコ(ニューウェルス・オールド・ボーイズ/アルゼンチン)
85分 アンジェロ・プレシアード→ジャクソン・ポロソ(トロワ/フランス)


セネガル
フォーメーション:[4-3-3]

監督:アリウ・シセ

GK
エドゥアール・メンディ(チェルシー/イングランド)

DF
カリドゥ・クリバリ(チェルシー/イングランド)
イスマイル・ジャコブス(ASモナコ/フランス)
ユスフ・サバリ(ベティス/スペイン)
アブドゥ・ディアロ(ライプツィヒ/ドイツ)

MF
イドリッサ・ガナ・ゲイェ(エヴァートン/イングランド)
パテ・シス(ラージョ・バジェカーノ/スペイン)
パプ・ゲイェ(マルセイユ/フランス)

FW
ブライユ・ディア(サレルニターナ/イタリア)
イリマン・エンディアイェ(シェフィールド・ユナイテッド/イングランド)
イスマイラ・サール(ワトフォード/イングランド)

交代出場
74分 パテ・シス→ナンパリス・メンディ(レスター/イングランド)
74分 イリマン・エンディアイェ→バンバ・ディエン(マルセイユ/フランス)
90+5分 ブライユ・ディア→パプ・アブ・シセ(オリンピアコス/ギリシャ)