日本代表DF板倉滉(ボルシアMG/ドイツ)が29日、メディア対応を実施した。
長期離脱を経てFIFAワールドカップカタール2022の舞台に臨んでいる板倉は、ここまで2試合にフル出場。負傷明けとは思えないパフォーマンスで日本代表の守備陣をけん引している。12月1日には決勝トーナメント進出をかけてスペイン代表戦が控えているが、「中3日あるので全然大丈夫です」と出場に意欲。27日のコスタリカ代表戦は0-1で悔しい敗戦となったが、チームの雰囲気は悪くない。板倉自身も「ネガティブになる要素がないですよ」と前を向いている。
「ネガティブになる要素がないですよ。だってコスタリカに負けて敗退したわけではない。最高の相手との最後1試合が残っていて、勝てば予選突破できる。もちろん、コスタリカに勝ったらそれがベストだったかもしれないけど、この状況を招いたのは自分たちなので。でも、逆にここでスペインに勝って突破したら、さらに盛り上がる。そういった意味ではポジティブに捉えています」
板倉はスペイン代表の特徴について「セットした状態からのプレスも早いし、もちろん奪った後の切り替えも早い」とコメント。「(ボールを)持たれる時間が増えるのは承知している」と話したが、「そこでネガティブになるつもりはない。取れるところでしっかり強くプレスしにいかないと。そこのチャンスは逃してはいけない」とも続けている。「僕たちが良い状態で奪えればチャンスになるシーンもあるなと感じている。そこはドイツ戦もそうだけど、意識していかないと。奪った後は特に大事に、そして思い切ったプレーをしていかなければと思っています」と意気込んだ。
スペイン代表は1年前の東京オリンピック・準決勝で敗れた相手だ。当時U-24日本代表に選ばれていた面々の多くが今回のワールドカップに出場しており、板倉もその1人。今回のスペイン代表には東京五輪に出場したメンバーが7名選出されており、延長戦で決勝ゴールを挙げたマルコ・アセンシオ(レアル・マドリード)もワールドカップに参加しているが、板倉は当時のゴールを「鮮明に覚えている」と語る。「今でもオリンピックで負けた悔しさは残っているし、その悔しさをずっと忘れずにやってきた。この素晴らしい舞台でスペインと対戦できることは、良いストーリーではないですけど、ここで借りを返したいです」と話した。
DFとして「最後のところで守らないといけないシーンはたくさんある。そこはやらせないようにしたいと思う」と守備面での意気込みを明かした板倉は、「常にどこが空いているかを把握して、どれだけ奪った後すぐに正確なパスをつけられるかが大事になる」と攻撃面のポイントにも言及。初出場となったワールドカップについては「やはり素晴らしい舞台だなと感じるし、緊張感や雰囲気は初めてだけど、ものすごくパワーがある」と表現した。ドイツ戦の劇的勝利の後で日本が歓喜に包まれたことは板倉の耳にも入っており、次のスペイン戦に向けた決意も語っている。
「4年前はファンとして見ていた側なので、その盛り上がりは覚えています。今度はピッチに立てていて嬉しいですけど、逆に責任も湧いている。僕たちの力でみんなを喜ばせたい。日本を背負ってここに来ているので、次の1試合で帰るわけにはいかないなと思います」