カタール・ワールドカップ(W杯)で、日本代表チームのロッカールームは使用後もきれいに片づけられている。
今回は、カタールの公用語であるアラビア語と、日本語で「ありがとう!」というメッセージカードとともに、折り鶴が置かれているようだ。現地の清掃スタッフやスタジアムスタッフへの感謝を表わす“伝統”は、勝利したドイツ戦、敗れたコスタリカ戦でも変わらず引き継がれている。
その様子は、国際サッカー連盟(FIFA)が運営するW杯公式アカウントでシェアされ、世界のフットボールファンも感嘆した様子を隠さない。
しかし、コスタリカ戦後には、この行為とは真逆の“デマ”がSNS上で拡散されていたようだ。インドメディア『IndiaToday』が11月29日付けで伝えている。
同メディアによれば、「コスタリカ戦後、日本のロッカールームが映っているとして、ある写真がフェイスブックで拡散された。写真には生ごみが散乱し、使用済ティッシュが散らばり、山盛りになったペットボトルなどが映っている。キャプションには『コスタリカ戦後の日本のドレッシングルーム』と綴られている」
【画像】コスタリカ戦後、拡散されたロッカールームの“惨状”
この写真は、50万人超のフォロワーを持つフェイスブックのアカウント『Troll Football EU』などで投稿され、300件以上シェアされている。しかし、これはれっきとしたデマ。同メディアは「2022年3月、カタールW杯のプレーオフで、北マケドニアに敗れた後のイタリア代表のロッカールームの写真を使いまわしている」と指摘している。
「英紙『Mirror』や『The Sun』『Daily Star』、『Daily Mail』などがこの惨状を報じ、その後にレオナルド・ボヌッチ選手が謝罪したことでも知られる。彼はロッカールームを使い荒らしたことについて『大きな間違いだった、申し訳ない』とコメント。この時点では写真ほどひどい状態ではなかったとも弁解していたが、イタリア代表の振る舞いに批判が集まっていた」
日本人サポーターについては、今大会もスタジアムで観戦した後のゴミ拾いが取り上げられ、称賛されている。しかし、この行動についても、ゴミ拾いの動画を“逆再生”で編集し、ゴミを散らかしたように見える動画を英メディアが拡散し、問題になった。
日本に限らず、W杯が始まって以来、SNSでは多くの誤報が飛び交っている。インターネットが発展しているからこその問題だが……。情報の真偽は慎重に見極めた方が良いだろう。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部