「ちゃんと守っていればチャンスは間違いなく来る」と守備に注力

　日本代表DF板倉滉（ボルシアMG）は、カタール・ワールドカップ（W杯）のグループリーグでドイツ代表戦（2-1）、コスタリカ代表戦（0-1）で2試合連続フル出場した。W杯前までは、左膝内側側副靱帯の部分断裂をしていたことでプレーができるかが不安視されていた。2試合を終えた板倉は自身のコンディションについて、「中3日あるので、このままできるし、全然大丈夫です」と、現地時間12月1日のスペイン代表戦への出場にも問題ないとした。

　コスタリカに敗れたことで、チームの雰囲気も心配されるが「そんなに心配しなくてもいい。みんな前を向いているし、雰囲気も全然悪くない。もちろんコスタリカに負けて、みんな落ち込んでそうですが、選手は落ち込んでいない。まだチャンスがあるわけだから、そこに向かうだけ」と言い、この状況を歓迎すらした。

「この状況でスペインを倒して、（決勝トーナメントに）行けたら、さらに盛り上がると思うし、日本としても勢いがつくので、最高の状態でスペイン戦はできるんじゃないかなと思います」

　とはいえ、相手のスペインは世界屈指の強豪だ。日本が最高の力を出せたとしても、簡単には勝てない。スペインとドイツの1-1に終わった試合を見た印象について「改めて言う必要もなく、クオリティーは高いし、やり方は分かっているので楽しみですね。ゼロで抑えたい思いがありますし、ドイツ戦の時は1失点してしまいましたが、ちゃんと守っていれば間違いなくチャンスはあると思う。チャンスが来た時にゼロで推移できている状況を作りたい」と、守備陣の力が問われることになるであろう試合へ意気込んだ。

　この試合に敗れれば、カタールW杯の戦いは終わる。「次の試合は最後にできない」と板倉は言い、「もう思い切ってやるだけ。勝てばいけるので、その状況に今、ラスト1試合残して整っていることが、すごくポジティブに捉えていい。そのタイミングでスペインとできることは、勝ち上がることを想定したら、すごくいい勢いが付く」と、スペイン戦はあくまで決勝トーナメント進出への過程だと強調した。

　板倉を筆頭に、選手は誰もスペイン戦での勝利を疑っていない。「カタールの奇跡」と呼ばれているドイツ戦に続く大金星を挙げ、再び勢いに乗って決勝トーナメントに突入できるか。（FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai）