ここまでの2試合は内容が振るわない

ベルギーにとって今回のFIFAワールドカップ・カタール大会は集大成だ。2010年代よりチームを引っ張ってきた黄金世代のラストダンスになる可能性が高く、今度こそ優勝をと考えているサポーターもいただろう。

しかし、グループステージ2試合を終えた段階でのムードは最悪に近い。初戦のカナダ戦は何とか1-0で勝利したが、相手に22本もシュートを打たれる大苦戦の試合だった。

ベルギーの選手たちはカナダのスピードについていけず、勢いがあったのは明らかにカナダ側だ。経験値の差で勝利をもぎ取ったが、負けてもおかしくない内容だったと言える。

続く第2戦はモロッコと対戦し、こちらは0-2の完敗だ。ボールは保持していたが、得点を挙げられないまま終盤へ突入し、モロッコに2点を奪われてしまった。

スペイン『MARCA』はベルギーのパフォーマンス、チーム内の空気を不安視している。パフォーマンスの面では、復活が期待される10番エデン・アザールがやっぱり伸びてこない。レアル・マドリードでも期待に応えられていない天才アタッカーは、モロッコ戦も60分でピッチを退いている。

ボールをキープする技術などクオリティを垣間見せるところもあるが、今大会122分プレイしてシュートが1本だけというのは寂しい。

黄金世代の中でも1番の輝きが期待されるMFケビン・デ・ブライネに関しては、チームの高齢化からワールドカップ制覇は難しいと悲観的なコメントを残している。同メディアもモチベーションを疑問視しており、本人も納得していないところがあるはずだ。

点取り屋のロメル・ルカクも戻ってきたばかりで、どこまで状態が上がってくるか分からない。

結果は1勝1敗で、まだグループ突破のチャンスはある。しかし2試合の内容はお世辞にも良いとは言えず、黄金世代があっさり終わってしまう可能性も考えられる。最後の相手は、ルカ・モドリッチら同じくベテランが活躍するクロアチア代表だ。

クロアチアもこの一戦を落とせばグループ3位に転落する可能性があり、黄金世代同士による激しい戦いが期待される。ベルギーは黄金世代ここにありと意地を見せられるか。