【専門家の目|佐藤寿人】スペインと運命の一戦「これを乗り越えることに価値がある」
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング24位)は、11月27日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)グループリーグ第2戦でコスタリカ代表(同31位)に0-1で惜敗した。元日本代表FW佐藤寿人氏に、スペイン戦の展望と日本が修正すべき点について聞いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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コスタリカ戦では自陣でのボールロストからの1失点に泣き、厳しい状況に追い込まれた日本。佐藤氏は「やはりこれがW杯。本当に難しい。どの国も力がありますし、単純な力関係だけで勝負が決まるものじゃない」と語り、強豪スペインとの一戦を展望した。
「力のある相手に対して我慢をするのは相当、大変です。スペインはボールを扱って相手を動かすことに長けていますから、そこでポジションを動かされてしまうと、最終的に耐えることが難しくなるとは思います。ドイツ戦はなんとか前半を0-1のまま耐えることができたので、最終的にシステム変更と選手交代含めてギアを上げることができました。
コスタリカ戦のスペインのパフォーマンスを見ても、ボールを動かしながら相手を動かして、自分たちもアクション起こして、出入りしながら、攻撃のスイッチを逃さず入れていって、得点を奪っていった。間違いなくオン・ザ・ボールのクオリティーは、このグループリーグの中で飛び抜けています。ドイツ戦以上に一瞬の隙も与えてはいけないと思います」
突破をかけてスペインと対戦する状況は決して簡単なものではない。「これを乗り越えることに価値があると思います。ドイツ戦で勝ち点3を奪えたのも、コスタリカ戦で残念ながら負けてしまったのも、全て勝負の世界でチームとしての結果です。まずはグループリーグ突破を決めてほしいですね」と佐藤氏。「まずは頭の整理をして、クリアにすること」としたうえで、攻守に意識すべき点を指摘した。
「得点を奪うために、攻撃のスイッチを逃さず入れていくこと。守備のところではしっかり耐えて、閉じなければいけないパスコースしっかり閉じる。勝負の神様は細部に宿る。よく言われる言葉ですが、ドイツ戦の勝利も、そしてコスタリカ戦も、本当に細部に宿っているなと。スペイン戦でも90分間、細部にこだわっていけるか。そこが最終的に勝利の神様が日本に微笑むのか、それともW杯の難しさを突きつけられるのかというところを分けると思います。
コスタリカ戦は望んでいた結果ではありませんでしたが、一番悔しい思いをしているのが選手たちです。もちろん応援している全ての人たちも悔しい思いをしていて、僕自身もそうです。でも、もうここまで来たら選手たちを信じるしかない。残念ながら得点にはつながらなかったですが、コスタリカ戦でもここからギア上げていかないといけない、点を取らなきゃいけないという時に、多くの日本代表サポーターが素晴らしい雰囲気を作ってくれた。すごい地鳴りのような音をスタジアムで起こしてくれました。難しいスペイン戦にも同じような形で臨んで、良い結果が出せるように願うしかないですね」
運命のスペイン戦、細部にこだわり、勝利をつかみ取ることができるだろうか。(FOOTBALL ZONE編集部)