強国撃破と同じように記憶に刻み込むべきだ

FIFAワールドカップ・カタール大会に日本代表の指揮官として参加した森保一監督。本大会前は森保監督に対し、批判の声が大きかったが、本戦ではW杯優勝経験国相手に強気な采配を見せてサムライブルーをベスト16に導いた。

大会終了後は森保監督の去就に注目が集まっており、先日次の2026年のW杯まで続投することになると発表された。「まだ見ぬ『新しい景色』を見るために一戦一戦、覚悟を持って挑戦していきたい」と意気込みを語っている。

日本がこのW杯で示したのは、ドイツやスペイン、クロアチアのような強国相手にも立ち向かえるということだ。堅守速攻の戦術が軸となるが、ドイツとスペインは5バックになる日本の守備陣を崩せず、苦戦していた。ドイツやスペインの上となると、フランスやアルゼンチンとなるが、今の時点でもある程度は抗うことはできる。

であれば、次にテコ入れすべきは攻撃だろう。今大会で日本の攻撃は守備と同様に注目された。三笘薫を中心とした攻撃は勢いがあって強豪とされる国でも、後手を踏むシーンが見られた。

しかし決勝トーナメント1回戦の相手であるクロアチアは三笘を左ウイングバックに置くデメリットを何度も突いてきた。そのためか三笘は守備に追われ高い位置から仕掛けることができず、攻撃の迫力は半分ほどしかなかった。

三笘は現在ブライトンでも大活躍しており攻撃の柱となれる選手だが、彼だけに頼らないカタチを見つけることが、第2次森保政権では求められる。左に三笘、右に伊東純也、トップ下に鎌田大地を配置しておけば、対アジアで得点に困ることはそうないといえるが、そこに手を加えW杯で敗れたコスタリカのような相手に安定して勝てるチーム作りが求められる。次のW杯から参加国が増えることで、本戦でも格下との対戦が予想される。このまま今の問題点を解決せず4年後を迎えることになれば、コスタリカ戦の悪夢をまた見ることになる。

W杯での躍進は素晴らしかったが、格下とされる国相手に確実に勝てるチームにはなれていない。各ポジションに実力者は揃っており、今後はどのような森保ジャパンが見られるのだろうか。